富水駅〜開成駅コース 
二宮尊徳ゆかりの地に自然を訪ねて
二宮尊徳ゆかりの地を訪ねながら、酒匂川に由来する水と緑の豊かな自然に触れることができるコースです。
コースのご案内
水路の生き物

コース3

尊徳記念館

コース4

善栄寺

コース6

酒匂川の堤防

コース12

二宮尊徳(1787年〜1856年)ゆかりの地を訪ねながら、酒匂川に由来する水と緑の豊かな自然に触れることができるコースです。二宮尊徳は、栢山で生まれ育った篤農家です。没落した家業を立て直した経験をもとに殖産を説き、農村の復興に貢献しました。尊徳記念館や尊徳の生家、菩提の善栄寺などでその一生をうかがうことができます。また、行く先々の社寺に生育する珍しい樹木や、網目状に流れる水路が特徴的な水辺景観、自然の猛威に懸命に立ち向かった先人の努力がつくり上げた酒匂川堤防の河川景観など、興趣は尽きないことと思います。
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みどころ
1
光明寺
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シキザクラの花
シキザクラの花
光明寺の入り口付近にはシダレザクラ、サツキなどの花木が植えられています。その中に春と秋の1年に2回開花する桜があります。この桜は「シキザクラ(四季桜)」と呼ばれる種類ですが、地元では、秋にも咲く桜として「ジュウガツザクラ(十月桜)」と呼ばれています。シキザクラは、マメザクラとエドヒガンの種間雑種と考えられる栽培品種です。
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2
若宮八幡宮
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若宮八幡宮
若宮八幡宮は、酒匂川西岸、堀之内村(旧地名)の鎮守で、昔は飯田岡(現在の所在地である堀之内よりも南方)にあったものが1352年〜1355年に酒匂川の洪水によって現在の場所に移されたといわれています。境内には、「小田原市緑と生き物を守り育てる条例」により保存樹として指定されたムクノキ、ケヤキの大木が見られます。また、クスノキ、カリン、サクラなどの樹木が植栽されています。
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3
水路の生き物
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ヤナギモとオオカナダモ
ヤナギモとオオカナダモ
この辺りは富水という地名にもあるように、かつては自噴の井戸が各所で見られ、水路が網目のように走るのどかな田園地域でした。現在でも住宅街を流れる用水路は、風情ある街並み景観を醸し出しています。水路には在来のヤナギモ、エビモや南アメリカ原産のオオカナダモなどの水草が見られます。オイカワの群れが清流を気持ちよく泳ぎ、このオイカワを採餌するコサギの姿を見掛けることもあります。
ヤナギモ: ヒルムシロ科の多年草/池沼や小川などの浅い水中に群生する沈水植物/葉がヤナギに似ていることにより和名が付いた/花期は6月〜9月で、数個の小さい花が密に付いた花序を水面に出す
エビモ: ヒルムシロ科の多年草/湖沼やため池、河川の浅い水中に群生する沈水植物/和名はエビの住む所に生育する水草の意とする説と、葉の屈曲する様子がエビに似ているためという説がある/低温や水の汚染に強く、生活力も旺盛で、昔は水田の緑肥にも使われた
オオカナダモ: トチカガミ科多年草/南米原産の水草/やや富栄養な水域で繁茂する沈水植物/雌雄異種だが、日本に野生化しているのは雄株のみで、「切れ藻(植物の断片)」からの栄養繁殖によって増えている
オイカワ: コイ科/北陸・関東地方以西の河川中・下流域などに広く分布/6月〜7月の産卵期の雄には鮮やかな婚姻色が現れ、頭部などに追星(おいぼし)を生じる
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4
尊徳記念館
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尊徳記念館
二宮尊徳は江戸末期に活躍した篤農家です。1787(天明7)年に小田原市栢山の農家の長男として生まれ、両親と死別してからは伯父の家に寄食しながら創意工夫に努め、30歳のころには一家の再興を果たしました。その後、農村指導者として優れた手腕を発揮し、69歳で逝去するまでに立て直した町村は600余といわれています。ここでは、二宮尊徳の少年時代の苦労や農村の復興に尽力した様子が、ビデオや実物大の人形模型などにより、分かりやすく解説されています。
開館時間: 9:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日: 年末年始
料金: おとな200円、小・中学生100円
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5
二宮尊徳誕生の家
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二宮尊徳誕生の家
尊徳が誕生したこの家は、尊徳が16歳の時、一家離散の際に売り払われてしまいました。転売・移築を重ねながら農家の住宅として使用され、1960(昭和35)年に柳新田の渡辺善太郎氏の住宅となっていたものを、尊徳記念館建設期成会が尊徳の誕生した場所に復元し、小田原市に寄贈しました。建築されてから約200数十年を経過した家ですが、現在でも主な木材は手入れを必要としないほどに堅固です。現在、神奈川県重要文化財に指定[1963(昭和38)年3月5日]されています。
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6
善栄寺
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善栄寺
善栄寺は、寺伝によると1215(建保3)年に創建され、中世の末には、酒匂川の度々のはんらんを受けて寺領も伽藍も荒廃したものの、小田原北条氏第三代当主・北条氏康(うじやす)夫人の瑞渓院(ずいけいいん)によって再興され、今日に至ったとされています。寺内には瑞渓院の墓のほか、二宮尊徳の墓があります。尊徳は、日光御神領再興を命じられ、その実践中に亡くなり、栃木県今市市にある如来寺に葬られました。この墓には、尊徳の実弟三郎左衛門が持ち帰った尊徳の遺髪と遺歯が埋葬されています。境内には二宮金次郎「少年勉学の像」があり、シラカシ、ナギ、イチョウ、アカマツ、カリンなどの樹木に囲まれ、落ち着きのある雰囲気を醸し出しています。
ナギ: マキ科の常緑高木/自然分布は本州(和歌山県、山口県)、四国、九州、沖縄の暖地の樹木/神社や墓所などに多く植栽/樹皮がはがれ落ち、赤褐色となることが特徴的
イチョウ: イチョウ科落葉高木/中国原産/公園や街路樹あるいは神社などに多く植栽/雄木と雌木があるが、落ちた銀杏がにおうため、雄木の方が好まれる/材は、まな板や彫刻材に使用
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7
栢山神社
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栢山神社
栢山神社の境内には、小田原市指定保存樹のクスノキとイチョウの大木が見られます。そのほか、ムクノキ、ゲッケイジュ、エノキなどが植栽されています。この栢山神社の林は、数年前には樹冠が真っ白に見えるほどのコサギの大群が住むコロニーだったそうです。しかし今では、境内の環境に大きな変化はないものの、周辺の住宅化の影響なのか、コロニーをつくらなくなってしまったそうです。
クスノキ: クスノキ科の常緑高木/木全体に樟脳(しょうのう)と樟脳油(しょうのうゆ)を含むため、枝葉や幹、根に強いにおいを持つ/江戸時代には、九州・薩摩藩に樟脳を採る方法が伝わり、クスノキは外貨獲得のための貴重品であった/樟脳・樟脳油は医薬品、防虫剤、香料などに利用される
ゲッケイジュ: クスノキ科の常緑高木/地中海沿岸原産/高さは12mくらい/雌雄異株だが、日本に雄株は少ない/葉や果実には芳香があり、香料や薬用に利用されるほか、カレーやシチュー、スープのスパイスにも使用される
コサギ: 足指が黄色いシラサギ類で1年中見られる鳥/水田や水辺に飛来して、魚やアメリカザリガニ、カエル類などの餌を採る/樹林に集団で繁殖し、集団のねぐらを持つ
コロニー: サギ類は特定の場所に集団で繁殖する習性があり、このような集団営巣地をコロニーと呼ぶ
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水田のあぜの植物
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オオジシバリ キンエノコロ
オオジシバリ キンエノコロ
水田のあぜは、田んぼに注いだ水をためる「堤防」としての役割を保つために、定期的に雑草管理(草刈り)が行われています。この草刈りが行われることによって、多様な在来種が植物群落として残されています。ここでもオオジシバリ、キンエノコロ、ウシハコベ、ヒメクグ、イヌタデ、ジュズダマ、ミゾソバ、コセンダングサなどのさまざまな草花を見ることができます。
オオジシバリ: キク科の多年草/高さ10〜20cm/水田のあぜや路傍に広く生育/4月〜6月に黄色のやや大きめな花をつける/「ジシバリ」という名は、繁殖力が強く、地面に接した節から次々と根を下ろし、一面を覆うことから
エノコログサの仲間: エノコログサ、アキノエノコログサ、キンエノコロなどがある/花期は8月〜11月/エノコログサは花穂で猫をじゃらすので、別名「ネコジャラシ」とも呼ばれる
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9
堤防上の松並木
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堤防上の松並木
酒匂川の堤防上には、河口からこの辺りまでに約400本ものクロマツが植栽されています。この松並木は、江戸末期の農政家・二宮尊徳が13歳の時、子守りの駄賃にもらった2百文のお金で松の苗200本を譲り受け、堤防を補強するために植えたものが始まりといわれています。暴れ川としてはんらんを繰り返してきた酒匂川の堤防に、成長が早くて大きく根を張るクロマツを植えて治水に役立てたのです。
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堤防の草花
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ノコンギク コセンタングサ
ノコンギク コセンタングサ
堤防の草地は、治水上の目的で定期的に草刈りされているために草丈が低くなっています。この草刈りによって、人為的に明るい環境が維持されているため、ノコンギク、ヒメジョオン、ススキ、ヨモギ、ヤブカンゾウ、スイバ、カタバミ、オオイヌノフグリ、イタドリ、コセンダングサなど多種の野生草花が生育しています。
ノコンギク: キク科の多年草/高さは50〜100cm/日本の固有種で本州、四国、九州に分布/山野に普通に見られ、日当たりの良い路傍やあぜにも生育/8月〜11月に、数多く枝分かれした先に淡青紫色の頭状花をつける
ヤブカンゾウ: ユリ科の多年草/日当たりの良い路傍、堤防、あぜなどに生育/一重のノカンゾウに対し、7月〜8月、八重の橙色の花をつける/若葉と花は食用に、根とつぼみは漢方として利尿剤などに利用
スイバ: タデ科の多年草/路傍、あぜ、堤防などに生育/高さは50〜80cm/茎や葉にシュウ酸を含み、食べると酸味があるのでこの名がある/酸性の土地を好むため、酸性土壌の指標植物
カタバミ: カタバミ科の多年草/畑地や路傍によく生育/茎や葉にシュウ酸を含むため、酸味があり、「スイモノグサ」という別名もある/生の葉をすりつぶすと、疥癬(かいせん)、虫さされなどに効く堤防上の樹林
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堤防上の樹林
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堤防上の樹林
堤防上には、洪水対策のために植えられたクロマツの林のほかに、エノキとニセアカシアの林も所々で見ることができます。鳥の好物の、エノキの実が鳥によって運ばれ、日当たりが良く、適度に湿り気のある河原で芽生えて林になったものと思われます。また、外来種のニセアカシアは、砂防用にあちらこちらで植えられ、繁殖力が強いことから河原や土手などで野生化して林になっています。
ニセアカシア: マメ科の落葉高木/高さは10〜20m/北アメリカ原産/各地の海岸や山の崩壊地で砂防用や肥料木、街路樹として植栽/野生化が著しく、今後排除すべき有害な外来種のリスト(国土交通省)にも挙げられている/5月上旬〜6月にかけて白い蝶形花をつけ、ミツバチなどの昆虫が多く集まる
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酒匂川の堤防
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酒匂川の堤防
酒匂川の堤防には、所々切れている様子がたなびく霞に似ていることから名付けられた「霞堤(かすみてい)」が見られます。霞堤とは、洪水によって堤防が破壊されるのを防ぐため、堤防の一部を不連続にして、そこから河川水を田畑などの比較的被害の少ない所に誘導する導水効果を利用した堤防のことです。また、はんらんがあった場合には山から運ばれてきた豊富な栄養分が農地に補給される効果もあり、先人たちの知恵を垣間見ることができます。
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