環境マネジメントシステム(EMS)の構築・運用の状況

2000年10月、「小田急電鉄 環境方針」の作成・改定、目標の設定、管理体制の構築など、環境活動を進めていくうえで必要な基本的な事項を社則として定め、環境マネジメントシステム(以下「EMS」という。)を構築しました。
2010年4月、「小田急グループ環境戦略」の実施に伴い「小田急電鉄 環境方針」を廃止し、当該戦略のもと、各部門の環境負荷を分析したうえで、業務特性に応じた環境目的(3カ年ごと)・環境目標(1カ年ごと)を策定し、計画(Plan)-実施(Do)-監視測定(Check)-改善(Action)するというPDCAサイクルを運用し、環境負荷の低減に努めています。
EMSの推進体制としては、「小田急グループ環境戦略」や環境活動に伴う経営資源の準備および配分などを決定する社長を最高責任者とし、環境担当役員から、環境管理マネジャー、各部門の責任者へ意思決定を伝達する体制を構築しています。また、環境担当役員を委員長とする「環境委員会」を設置し、EMSの運用状況の検証と評価、見直しや、新しい施策立案について審議を行っています。
今後も事業の成長や外部環境の変化を踏まえながら、EMSの継続的な改善に努めていきます。

環境マネジメントシステム(EMS)推進体制

ISO14001認証取得状況

大野総合車両所

大野総合車両所では、車両の大規模な検査や補修に加え、日々の列車の状態の検査を行います。業務の性質上、騒音・振動、廃棄物の発生、化学物質の使用など、環境に与える影響が多岐にわたります。こうした背景から、2000年11月、ISO14001認証を取得しました。なお、3回目の更新審査を2009年度に受け、認証が継続されています。

内部環境監査制度

環境担当役員から指名された内部環境監査員※が各部門のEMSの運用状況および環境活動の進捗・達成状況などを日常業務から独立した立場でチェックする「内部環境監査制度」を設けています。
2009年度は、本社8部門、現業9部門を対象に監査を実施し、軽微な不適合が3件指摘されました。なお、内部環境監査員により指摘された良好な点および改善すべき点は環境担当役員に報告され、次年度以降のEMSの運用に活用されます。

内部環境監査結果の主なポイント

項目 概要
業務特性に応じた環境活動の推進 業務概要、組織体制、利害関係者等を考慮して抽出された環境側面が、目標設定の際に考慮されていない事例が見受けられた。EMSの運用の徹底と各部門の業務特性に応じた活動をより促進させるための支援を行う。
環境法令の遵守 リスクマネジメントで管理する主要関係法令との整合性も考慮し、各部門における環境法令の認識強化を図る。また、環境法令に関わるマニフェストなどの帳票類の管理についても注意喚起を図る。
環境負荷データ集計の徹底 行政等への届出の元データであり、今後は更に数値の正確性が求められる。集計漏れや誤入力のないよう各部門への注意喚起を図る。

内部環境監査員の選定基準・資格は、当社で定める内部環境監査員養成研修を修了した者に付与され、主に課長などの従業員です。内部環境監査員資格者は、環境担当役員から指名されて内部環境監査員となり、通常の業務やEMS運用責任者である環境管理マネジャーから独立した立場で監査を行います。2010年6月現在、108名(出向中の者を含む)がその資格を保有しています。

グリーン調達・グリーン購入の推進

循環型社会への転換が求められる中、2004年7月、グリーン購入ネットワーク(GPN)の基本原則を参考に、当社が調達するすべての製品・部品・材料について、「環境に配慮したものを優先的に購入する」ことを基本的な考え方とした「小田急電鉄グリーン調達ガイドライン」を制定しました。
当該ガイドラインで示した推進事項は、当社のあらゆる部門で調達するすべての製品・部品・材料について適用するとともに、工事に関わる業材についても適用しています。
また、サプライヤー(お取引先)に対しては、(1)環境関連法令を遵守していること、(2)環境負荷ができるだけ小さい包装・梱包を行うなど、すべての業務において環境負荷低減への配慮に努めていること、(3)自社の環境情報を積極的に公開・提供していることについて協力を求めています。

環境教育

当社は、従業員一人ひとりが環境活動の必要性を理解したうえで自らの役割と責任を認識することにより、全従業員による環境活動の推進を目指しています。そのために、2001年度から各階層に応じた環境教育を実施しています。
2009年度は、全従業員の環境意識の高揚を図ることを目的として月刊の社内報において、地球温暖化防止、低炭素社会づくり、省エネルギーに関する社会の動向や社内の取り組みを解説する「地球のための小田急の取り組み」を掲載いたしました。

環境教育(2009年度実績)

対象 延受講人員 時間(分)
課長代理クラス 28 30
副駅長、助役クラス 46 40
総括主任、指導主任クラス 76 60
20 50
主任、副班長クラス 98 60
若手社員 51 60
中間採用社員 38 30
新入社員 118 40
小田急グループ新入社員 148 40
運転士・車掌見習い 61 240
内部環境監査員 16 370
契約社員 22 30
自主参加(講演「他社から学ぶ地球温暖化対策の推進」ほか) 291 90

環境に関する規制の遵守状況

環境に関する法規制ならびに要求される事項については、EMSの運用により各部門で特定し、適切に管理しています。なお、法令等の違反を理由とした改善勧告、改善命令や罰則の適用を受けた事例はありません。

省エネ法への対応

省エネ法が直接規制する事業分野4つのうち、輸送分野ならびにエネルギーの使用量が原油換算で年間1,500kl以上の工場・事業場については、これまでどおり定期報告書等の提出を適切に行っています。
また、省エネ法の改正に伴い2010年4月より、これまでの工場・事業場単位の管理から、事業者(企業)単位のエネルギー管理に規制体系が変わったことをうけ、事業者単位での提出等各種対応を行っております。

東京都環境確保条例への対応

「地球温暖化対策計画書制度」の対象として、エネルギーの使用量が原油換算で年間1,500kl以上の事業所については、東京都への報告書の提出などを行っています。なお、東京都環境確保条例の改正に伴い、2010年4月より、「地球温暖化対策計画書制度」は、東京都内にある大規模事業所(年間のエネルギー使用量が原油換算1,500kl以上)を対象とした「温室効果ガス排出総量削減義務と排出量取引制度」に改定されたことをうけ、対象事業所単位での提出等各種対応を行っております。
また、同一事業者が都内に設置している事業所等(年間のエネルギー使用量が原油換算30kl以上1,500kl未満の事業所等)の年間のエネルギー使用量合計が原油換算3,000kl以上となる事業者を対象に「地球温暖化対策報告書制度」が新設されたことをうけ、事業者単位での提出等各種対応を行っております。

神奈川県条例ならびに川崎市条例への対応

「神奈川県地球温暖化対策推進条例(計画書制度)」ならびに「川崎市地球温暖化対策推進条例」の改正等に伴い、両条例の対象事業者となることから、事業者単位での提出等各種対応を行っております。

PCB(ポリ塩化ビフェニル)の管理

PCB含有機器の保管表示

PCBの厳正管理に努めています。2005年度は、関東圏で初めてPCB処理施設が設立され処理が開始されたことをうけ、高濃度のPCB機器の保管状態を再調査し、早期登録を行いました。現在は、その廃棄処理を順次進めています。なお、低濃度のPCB機器などについては、まだ処理できる施設がないため、引き続き特別管理産業廃棄物の保管基準で定める厳正管理に努めていきます。

アスベスト対策

駅・車両でのお客さまスペースにおいて、アスベスト含有の吹き付け材が露出している箇所はありません。
なお、密閉された部分におけるアスベスト使用箇所については、施設の更新時期に併せて順次除去工事を進めています。
2009年度は、新宿駅ホーム人工地盤部(地上ホーム)について、駅改良工事施工時に除去いたしました。

PRTR制度への対応

車両の検査・修繕を行う大野総合車両所では、PRTR制度の対象化学物質を含む燃料や塗料などを大量に使用するため、その年間取扱量を適切に管理・把握しています。
なお、2009年度についても前年度と同様、対象化学物質の年間取扱量が規制値以下となっているため届出の対象外となっています。

お客さまに安全と安心を(安全報告書2010)