2009年度の総括と2010年度の方針

 2009年度は、2007年度を初年度として設定した環境目的(3カ年の目標)の最終年度でした。環境目的のポイントとして、「環境負荷の低減」活動では、事業活動と環境活動の一層の融和を図るため、環境マネジメントシステム(EMS)の運用を徹底すること、「自然との共生」活動では、「小田急沿線自然ふれあい歩道」の充実や里山保全活動の確立など、より具体的な活動を重点項目としていました。

 2009年度の実績は、近年の省エネルギー車両の導入をはじめとしたハード面における取り組みのほか、気温変化による駅施設の空調電力の削減も寄与し、鉄道事業における省エネルギー目標の項目は、わずかながらも前進することができました。

 省エネルギーの推進や廃棄物発生量の削減など、地道な努力を要求される活動は、外部環境や業務量の変化などさまざまな要因によって結果が左右されるものですが、当社の環境活動をより推進していく基本となることから、今後も力を注いでいきます。

 また、小田急グループの環境活動の推進については、「小田急グループ環境会議」「小田急グループ環境法令勉強会」を実施し、グループの環境意識の向上に寄与したものと認識しています。

 2010年度は、今年度より実施される「小田急グループ環境戦略」のもと、引き続き各部門の業務特性を踏まえ、ハード・ソフト両面において環境活動を推進していく方針です。

2009年度の環境目標と実績

■環境負荷の低減
2009年度
項目 環境目標 実績 評価
地球温暖化対策の推進

● 鉄道事業における使用電力量削減目標の達成に向けた取り組みの推進

「鉄道事業における受電電力量を2014年度までに、367,000千kWh 以下に抑制する。」

  • 車両
    側面行先表示器の走行時消灯制御(新造5編成)
    省エネルギー空調装置の導入(改造2編成)
    省エネルギー車両の導入(新造5編成、改造3編成)
  • 電気
    照明設備の更新(2駅、1職場)信号機のLED化(78台)
    環境に配慮した機器の導入(2変電所、計2台)

鉄道事業における使用電力の削減:388,228千kWh(前年比1.6%減)

  • 車両
    側面行先表示器の走行時消灯制御(新造5編成)
    省エネルギー空調装置の導入(改造2編成)
    省エネルギー車両の導入(新造5編成、改造3編成)
  • 電気
    照明設備の更新(5駅1職場、計527台)
    信号機のLED化(162台)
    高効率変圧器の導入(3変電所、計3台)

● 官公庁による公共交通利用促進策への協力

各自治体開催のバリアフリー会議、多摩市交通問題連絡協議会、座間市総合都市計画策定委員会等への参加

● 鉄道広告媒体の省エネルギー化の推進

本厚木駅構内柱広告媒体をLEDに変更

● 本社ビルにおける使用電力量の削減(2006年度比3%減)

使用電力量の削減 2006年度比35.1%減(移転部署あり)
循環型社会形成への寄与

● 各事業施設における廃棄物削減・リサイクルの促進

  • 新テナントへの従業員教育、新任店長教育における分別指導の徹底
  • 焼却ごみの中に混入される資源ごみ(紙片、ビニール袋等)の分別を徹底(相模大野ステーションスクエア)

● 食品廃棄物などのリサイクルの推進

  • テナント店長会での啓発、個別指導(各商業施設)
  • 清掃係員との連携による分別の徹底指導(本厚木ミロード)

● 工事撤去品等戻入品のリサイクルの促進

・電線
333トン
(リサイクル率100%)
・レール
1,818トン
(リサイクル率100%)
・金属屑
557トン
(リサイクル率100%)

● 本社ビルにおける廃棄物削減(2006年度比14%減)

  • 廃棄物発生量 2006年度比25.2%減(210トン)
列車走行に伴う騒音・振動の低減
  1. ● 全密閉主電動機の導入(新造5編成、改造4編成)
  2. ● 交流コンプレッサーの導入(新造5編成、改造3編成)
  3. ● 滑走防止装置の設置(新造5編成、改造9編成)
  • 全密閉主電動機の導入(新造5編成、改造4編成)
  • 交流コンプレッサーの導入(新造5編成、改造3編成)
  • 滑走防止装置の設置(新造5編成、改造9編成)

● ラダーマクラギの敷設箇所の検討(敷設430m)

  • ラダーマクラギの敷設(623m〔参宮橋~代々木上原、海老名~厚木〕)

環境対策PR活動の推進
(シモチカナビおよび工事情報誌の活用)

  • 「シモチカナビ」を活用し、工事進捗状況および環境対策等への理解促進
  • 公募によるシールドトンネル見学会の開催
その他

● 開発・工事時の環境配慮

  • 駅周辺店舗、新規事業開発の際の環境配慮
  • 環境配慮型建物の設計・建設
  • 周辺環境に配慮した工事計画
  • ビル施設における環境関連設備への積極投資(2005年度比10%増) など
  • 電動重機、低騒音型重機、仮設防音ハウスなどによる騒音対策
  • 経堂地区での壁面緑化・太陽光パネルの採用
  • 経堂地区での温熱環境を配慮した設備導入の立案
  • 新宿ミロードの高効率型照明器具への交換や成城コルティEHP水噴霧装置の設置、4階折板屋根への遮熱対策の実施など、各所ビル施設への省エネ対策工事の実施(2005年度環境投資額と比較し大幅に増加)

● ITの活用による環境負荷の低減

一部の部署で、ICカード対応の複合機を導入し、印刷物の出力制御(印刷物の保護、不要印刷物の削減)の実施
■自然との共生
自然との共生活動の推進

● 自然ふれあい歩道の効果的な活用策の推進

  • 自然ふれあい歩道全コースを見直しホームページのリニューアル実施
  • 自然ふれあい歩道を活用した自然観察会を3回(大和、善行、開成)実施
  • 自然ふれあい歩道の桜名所「桜シリーズ」のリーフレットを全駅で配布

● 箱根・江の島などの自然環境資源の活用

  • 小田急グループ各ホテル、小田急トラベルを通してのエコツアーの支援、推進
  • 箱根景観改善の現状把握と報告、グループ支援(箱根登山線、箱根ロープウェイ、箱根観光船)
  • 自然観察会の実施(江の島磯の観察会70名、泉の森での野鳥観察会67名)

● クリーンキャンペーン、植樹会、里山保全への参加促進

  • 相模川、江の島クリーンキャンペーンの開催(合計688名、前年度比65名増)
  • 秦野市森林組合の協力により、秦野市菩提峠に苗木1800本の植樹実施(植樹会は荒天のため中止)
  • 里山保全活動12回実施延べ343名
■環境コミュニケーション
環境コミュニケーションの推進
  1. ● WEB 9月発行(情報の更新)
  2. ● 冊子 9月発行(32ページ、15,000部)
  • WEB 9月更新
  • 冊子 9月発行(28ページ、15,000部)

● 環境会計の集計、公表

  • WEB、冊子にて公表

● 環境活動のPR(お客さま、投資家など)

  • ODAKYU VOICE等にてお客さまにPRを実施
  • 決算説明会にて「小田急 社会的責任レポート」を配布
  • 交通関係環境保全優良事業者等大臣表彰(国土交通省)の受賞
  • エコプロダクツ大賞優秀賞の受賞(箱根旧街道・1号線きっぷ)
  1. ● 親子環境見学会(100名)
  2. ● 環境イベントの開催(ファミリー鉄道展など)
  • 国際標準規格「ISO 14001」の認証を取得している大野総合車両所での親子見学会を実施(80名
  • ファミリー鉄道展にて環境ブースを設置
■環境活動支援、教育・啓発
従業員への環境活動支援、教育・啓発

● 環境教育・啓発の実施

  • 階層別研修 558名
  • 環境講演会(自主参加)他 291名
  • 内部環境監査員養成研修 16名

● 内部環境監査の実施

本社8部門、現業9部門を対象に実施
小田急グループ環境活動の推進

● 小田急グループ環境会議2回、小田急グループ環境法令勉強会・小田急グループ環境視察会をそれぞれ1回

  • 小田急グループ環境会議を2回、小田急グループ環境法令勉強会を2回開催
  • 「地球温暖化防止」に関する記事を社内報に掲載

● 環境負荷データの集計・分析・報告

各部署、小田急グループ各社のエネルギー使用量を集約

● 環境ビジネス、環境活動の支援

  • フードエコロジー事業の支援
  • エコツアー、カーボンオフセットツアーの支援
  • 小田急のんびりハイク&ウォークでのエコスタンプの押印(107名)
  • フードエコロジー事業のPR支援
  • 小田急百貨店町田店でのパーク&ライドの推進(利用台数13,031台 対前年比7%増)

2010年度から2012年度の環境目的と2010年度の環境目標

環境戦略 2010-2012年度 環境目的 2010年度 環境目標

■戦略1

環境意識に応える商品・サービスの充実

環境配慮商品・サービスの充実
  1. ○ 事業特性を活かした環境配慮商品・サービスの提供
  2. ○ 小田急グループ各社との協働による環境配慮商品・サービスの提供

■戦略2

利用しやすい交通ネットワークの提供

公共交通の利用促進
  1. ○ 鉄道の環境優位性を活かした取り組み
  2. ○ 官公庁等による公共交通利用促進施策への協力

■戦略3

自然を楽しめる観光サービスの提供

自然環境を活かした観光サービスの提供
  1. ○ 自然ふれあい歩道を活用したサービスの提供
  2. ○ 沿線観光地の自然環境資源を活用したサービスの提供

■戦略4

事業活動に伴う環境負荷の低減

省エネルギー・資源有効利用の促進

○ 使用電力量の削減

  • 鉄道事業における使用電力量削減目標の達成に向けた取り組みの推進「鉄道事業における受電電力量を2014年度までに、367,000千kWh以下に抑制する。」
  • 各事業所における照明、空調、事務用機器等の省電力の徹底

○ 燃料使用量の削減

○ 水使用量の削減

○ 事務用紙・事務用品使用量の削減

○ ゴミ分別、リサイクルの促進、廃棄物削減

新技術等の研究・活用
  1. ○ 省エネルギー運転の研究と推進
  2. ○ 節電技術の研究、環境に配慮した機器の更新
  3. ○ 太陽光発電の検討・導入
  4. ○ 環境に配慮した運転ダイヤの計画・実施
環境に配慮した開発・工事
  1. ○ 新規事業開発の際の環境配慮
  2. ○ 環境に配慮した工事の計画・実施
騒音・振動対策の推進

○ 走行時の騒音・振動対策の推進

  • 鉄道車両の騒音・振動対策
  • レールの騒音・振動対策

○ 工事・保守の騒音・振動対策の推進

  • 工事車両・機械の騒音・振動対策
  • 仮線路敷設に伴う騒音・振動対策
有害物質の適正管理・処理
  1. ○ 廃棄物の適正管理・処理
  2. ○ PCB含有機器の厳正管理
  3. ○ アスベスト対策の推進
  4. ○ 有害化学物質使用削減
環境関連規制に対する取り組み
  1. ○ 環境関連規制・法令への適正な対応と対策の推進
環境に配慮した購入・調達
  1. ○ グリーン購入・グリーン調達の推進
従業員の教育・啓発
  1. ○ 環境関連セミナーへの参加
  2. ○ 教育啓発活動の実施

■戦略5

沿線エリアの環境保全

環境保全活動の推進
  1. ○ 保有する山林の健全化
  2. ○ 地域との協働による環境保全活動の推進
  3. ○ 生物多様性への取り組み

お客さまに安全と安心を(安全報告書2010)