「自然との共生」活動の考え方

持続的発展が可能な社会の構築のためには、自然界の循環を確保するとともに、生物多様性の保全と健全な生態系の維持・回復が重要となります。

小田急沿線には、多摩川、相模川、酒匂川などの河川や相模湾、多摩丘陵、丹沢山地、箱根火山など、変化に富んだ多様な自然が広がっています。

当社では、生物多様性の保全に配慮し、こうした自然環境から受けるさまざまな恵みを大切にするとともに、これらを沿線住民の方々とともに持続的に享受していくことができるよう、「自然との共生」活動に取り組んでいます。

生物多様性の保全に貢献する活動や、生物多様性に影響を与えない環境保全対策に取り組むほか、より多くの方々が自然に触れ、その豊かさを感じていただく機会・情報を提供する活動には、小田急グループや小田急沿線にお住まいの方々にもご参加いただいております。
今後は行政やNPOなどと連携しながら、効果的な活動の実施に努めていきます。

小田急の「自然との共生」活動の考え方

小田急の「自然との共生」活動の考え方

「小田急沿線自然ふれあい歩道」を選定しています。

梅ヶ丘駅~経堂駅コース
梅ヶ丘駅~経堂駅コース
コースガイドの小冊子
コースガイドの小冊子

豊かな自然に恵まれている小田急沿線には、身近にありながらあまり知られていない魅力的な自然資源や文化財が数多く点在しており、小田急線の駅を起・終点にし、これらの見どころを快適に巡る散歩道「小田急沿線自然ふれあい歩道」を70コース選定しています。(2008年9月選定終了)

WEBサイトには、各コースのマップや見所情報、コースを巡回している情報提供員から報告される旬な情報などを掲載しているほか、2010年度は小田急沿線のエリア別にコース編集した小冊子を作成するなど、沿線にお住まいの皆さまに気軽に、自然とふれあい、その素晴らしさを実感していただけるよう情報提供しています。

車窓景観の修景に取り組んでいます。

景観修景前
景観修景前

景観修景後
景観修景後

当社では、速度に応じて変化する印象的な車窓景観をお客さまに提供することを目的に、箱根にある魅力的な景観資源を活性化する「車窓景観修景計画」に取り組んでいます。

計画には、箱根を特徴づける箱根外輪山、芦ノ湖、早川の清流などの景観要素と効果的に出会える車窓景観を確保するため、眺望支障物の撤去、修景植栽などの基本的な改善策を盛り込んでいます。

箱根ロープウェイ(株)では、2008年度に桃源台駅周辺に密生していたヒノキを間伐し、箱根芦ノ湖への視界改善を図ったほか、2009年度には、姥子駅の索道敷地にモミジ、ミツバツツジの修景植栽を実施しました。

これからも、「車窓景観修景計画」を推進し、お客さまにより満足いただける車窓景観との出会いを提供していきたいと考えています。

鉄道法面の環境評価を実施しています。

法面の調査
法面の調査
オオキンケイギクの防除調査
オオキンケイギクの防除調査

2003年度に多摩地区の鉄道法面(線路周辺の土手部分のこと)の生態学的な調査を行ったところ、タチツボスミレ、ノハラアザミなど里山で見られる植物が数多く生育し、また、東京都版レッドデータブック※に掲載されているショウリョウバッタモドキやニホントカゲの生息が確認されるなど、生物多様性の観点から貴重な草地環境が維持されていることが判明しました。さらに、周辺地域の環境レベルとその分布状況を示す「生態ポテンシャル図」から、鉄道法面の緑地が、周辺緑地との生態的ネットワークを構成していくうえで重要な場所に位置していることが分かりました。

このような鉄道法面の生態的な機能をできる限り維持し、在来種による生物多様性の保全を図るため、外来生物法で特定外来生物に指定されているオオキンケイギクを効果的に防除する管理手法についてモニタリング試験調査を実施し、2010年度は調査結果に基づく具体的な防除手法の試行、および生育状況モニタリング調査による防除効果の分析を行いました。

絶滅のおそれのある野生生物の情報を取りまとめたガイドブック

里山の保全活動を行っています。

下草刈り作業の様子
下草刈り作業の様子

都市化に伴う開発や後継者不足によって里山の雑木林が消滅あるいは荒廃していく中で、多くの動植物種を育むことができる雑木林は、生物多様性の確保という観点から、保全管理すべき重要な環境資源として注目されています。

当社では向ヶ丘遊園跡地に残されている雑木林において、さまざまな動植物が生育する生物多様性豊かな自然環境へと改善を図り、参加者が生物多様性の重要性を認識し、環境意識を高揚させることを目的に里山保全活動を継続的に実施しています。

雑木林に密生しているアズマネザサの下刈り作業を中心とする保全活動には、従業員やOBが自主的なボランティアとして参加するほか、車掌科養成教育期間中の新任車掌を加え、2010年度は12回の保全活動に延べ290人が参加しました。

植樹会・クリーンキャンペーンを開催しています。

植樹会
植樹会

小田急沿線の自然を守り、育む、地域に密着したさまざまな活動を実施しています。

生物多様性豊かな森林には、災害防止機能、水源涵養機能があり、樹木を植栽し緑化を推進することで、沿線地域の環境保全に貢献する「小田急植樹会」を2001年度より実施しています。

2010年度は秦野市森林組合の協力を得て秦野小原地区で実施し、一般の方、小田急グループの従業員・OB、その家族の92名の参加者により、その土地風土にあった910本のクヌギ、ケヤキを植樹しました。その結果、これまでに植樹した苗木は10,520本となりました。

このほかにも、清掃活動を通じて環境意識の向上を図る「小田急グループ・クリーンキャンペーン」を実施しています。2010年度は、荒天により相模川のみの開催となりましたが、一般の方、小田急グループの従業員・OB、その家族の292名が参加しました。

環境影響評価(環境アセスメント)を実施しています。

環境影響評価制度は、土地の形状の変更や工作物の新設等の事業を行う際に、環境の保全について適正な配慮をするための制度です。

当社では、緑豊かな環境を育み、自然にやさしく、人々の暮らしに潤いと安らぎのある美しいまちづくりを目指す「向ヶ丘遊園跡地利用計画」を実施するにあたり、周辺の環境にどのような影響を及ぼすかについて、事前に調査、予測・評価する方法を取りまとめた環境影響評価方法書を川崎市に提出するなど、川崎市環境影響評価に関する条例に基づく手続きに着手いたしました。

環境に配慮した取り組みの推進(環境報告書2011)