Interview 箱根の自然を、いつまでも。

小田急グループでは、地域や行政と一体となった環境対策にも力を入れています。その代表的な例が、箱根エリアにおける環境活動。箱根は、大手旅行サイトの人気温泉地ランキングで長年トップの座を守る国内有数の観光地であると同時に、小田急グループにとっての重要な事業エリアです。また、国立公園に指定されているエリアでもあることから、環境や景観に配慮した施策は欠かせないものであり、地域や行政と協力して環境対策を講じることが必要です。

回答者

小田急箱根ホールディングス株式会社
営業統括部 チーフマネジャー
杉森俊彦さん

箱根エリアにおける小田急グループの事業を統括する同社において、地域や行政とのパイプ役となるキーマンであり、環境対策も担当する。

———はじめに、小田急箱根グループにおける環境対策についてお聞かせてください。

当社は、鉄道事業や観光船事業、バス事業などを通じ、箱根エリアの価値向上を図るさまざまな取り組みを行っており、環境対策もその一つです。小田急箱根グループでは、2010年3月に箱根登山バスにおけるハイブリッド車輌の導入、2013年4月に箱根ロープウェイ・大涌谷駅で風力発電の開始およびLED照明の採用、そして、箱根観光船の海賊船「ロワイヤルⅡ」においてもLED照明の採用といった対策を行っています。

特に、2013年4月にリニューアルした大涌谷駅は、国立公園内に立地していることから、管轄する環境省からの要請なども踏まえて駅舎の色彩や形状などについても協議を重ね、景観との調和に留意して建て替えを行いました。

箱根登山バス ハイブリッド車輛
箱根登山バス ハイブリッド車輛
大涌谷駅に設置の風力発電モニター
大涌谷駅に設置の風力発電モニター
ロワイヤルⅡのLED照明
ロワイヤルⅡのLED照明

———箱根は、国立公園にも指定されるほど自然豊かな場所です。環境対策のモデルケースになり得る土地柄であり、行政も環境対策に積極的だと思いますが、行政との連携施策はありますか。

小田急箱根グループでは、行政主導の施策にも積極的に協力しています。環境省主催のクリーンキャンペーンにはグループ各社で参加しており、箱根町主催の植樹イベントには当社も参加しました。この他、電気自動車(EV)の利用拡大に取り組むことでCO2削減による「環境先進観光地箱根」の実現を目指す「箱根EV普及ネットワーク」には、小田急箱根グループとして参画しており、箱根町と一体となって取り組んでいます。

■平成24年度箱根地域国立公園内ゴミ不法投棄防止一斉パトロール(小田急箱根グループ参加事例)

実施日:2012年10月26日

参加人数:98名(機関・団体38名、事業者60名)

ゴミ回収量:約1,580kg

実施主体(参加人数) 実施場所 人数 回収量
(kg)
ゴミの種類

小田急箱根ホールディングス株式会社

箱根登山鉄道株式会社

箱根登山バス株式会社

早雲山駅~強羅駅
(箱根登山ケーブル沿線)

3 3.5 ペットボトル、缶、ビン、可燃ゴミなど
株式会社小田急リゾーツ

・須雲川周辺

・芦ノ湖東岸遊歩道

・仙石原品の木周辺

2 1.85 缶、可燃ゴミ、ビンなど
箱根観光船株式会社 元箱根園地~箱根支所前~恩賜公園~箱根町園地 6 12 吸い殻、缶、ビンなど
箱根ロープウェイ株式会社

・大涌谷駅舎周辺

・大涌谷駐車場

・姥子駅周辺
(県道734号沿線)

7 580 テレビ、スピーカー、換気扇、絨毯、ビン、缶など

———観光客に向けた取り組みなども行っているのでしょうか。

サインの一例
サインの一例

箱根の環境を守るためには、お客さまへのアプローチも重要になります。箱根に来訪していただくとき、公共交通機関をご利用いただくことがCO2削減を後押しし、環境保全につながります。その考えを共有していただくために、さまざまな試みを行っています。例えば、以前は同じ小田急箱根グループでありながら、各社がそれぞれ作成したデザインでロゴやサイン類を掲出しており、統一感がなく、お客さまにも分かりにくいものでした。

そこで、「小田急箱根環境デザインガイドブック」を作成し、ロゴや色彩を統一した小田急箱根デザインによるサイン類の統一を図りました。お客さまが安心して、またより快適に私たちの交通機関をご利用いただけるように、「わかりやすい箱根 まわりやすい箱根」のさらなる実現に向け、日々取り組む。こういった基本的なことが、お客さまとともに箱根を守ることにつながるのだと思います。

———今後の箱根観光と環境対策について聞かせてください。

箱根登山鉄道新型車両のイメージ
箱根登山鉄道新型車両のイメージ

2014年11月には、箱根登山鉄道で新型車両が導入される予定です。「箱根旅行の楽しさ」を演出する車両を追求しており、大きな窓から取り込んだ箱根の雄大な自然を、より効果的に見せる内装デザインとなっています。箱根は「山」の自然のほか、芦ノ湖や早川、須雲川をはじめとする豊かな「水」の自然もあります。地質学的に見ても重要な自然の遺産を含んでおり、ジオパークの認定も受けています。

今後は、こうした自然豊かな箱根の景観をより楽しめるような施策を講じて、自然との共生を図りながら、地域の環境保全に貢献したいと考えています。

———ありがとうございました。

環境に配慮した取り組みの推進(環境報告書2013)