「環境報告書2015」の公表にあたり

小田急電鉄株式会社 取締役社長 山木利満

小田急グループは、日々の業務を誠実に遂行することで、お客さまの「かけがえのない時間(とき)」と「ゆたかなくらし」の実現に貢献し、社会とともに持続的に発展していくことが、当社の社会的責任(CSR)であると認識しています。

このCSR経営を推進するうえで、私たちは「環境に配慮した取り組みの推進」を重要な分野の一つと位置づけ、「小田急グループ環境戦略」を策定しています。この戦略に基づき、当社では、「環境負荷の低減」と「自然との共生」を大きな柱として、事業と一体となった取り組みを推進しています。

「環境負荷の低減」の一例として、現在1000形通勤車両のリニューアルを順次進めています。1000形は、1988年より導入した当社初のオールステンレス車両で、交流誘導電動機によるVVVFインバータ制御方式を初めて採用した車両です。今回のリニューアルでは、VVVFインバータ装置に世界で初めてフルSiC(炭化ケイ素)を採用し、従来と比較して重量、体積とも5分の1以下に小型軽量化しました。また、電車がブレーキをかけたときに発生する電力を架線に戻す回生エネルギー効率の向上により、運転電力をリニューアル前より平均20%、最大約40%削減するなど大幅な省エネ化を達成しました。さらに、車内照明のLED化なども行っています。今後とも車両や駅施設への環境配慮型機器の積極的導入など、環境にやさしい鉄道の実現にまい進します。

また、当社沿線は、身近な里山や公園から、箱根、江の島、丹沢・大山といった我が国を代表する観光地まで、沿線各地で豊かな自然に恵まれています。私たちはこの豊かな自然環境を、沿線の皆さまと共有すべき貴重な財産として大切に守り、自然からの恵みを持続的に受けられるよう「自然との共生」活動を続けています。2014年度は、沿線の里地里山保全活動団体と協働で、親子で沿線の自然を体感する新たなイベントとして「水辺の生き物観察会」や「野菜の収穫教室」などを開催しました。また、小田急線各駅を起点・終点に身近な自然を楽しんでいただけるハイキングコース「小田急沿線 自然ふれあい歩道」を選定し、パンフレットや、スマートフォン向けアプリにより紹介しています。2014年度は、沿線各地でさまざまな表情の富士山を楽しめるコースを集めたダイジェスト冊子「富士山を愛でる」を発行し、多くのみなさまにご好評をいただきました。

今回のレポートは、2014年度を中心に、ご紹介したような「環境負荷の低減」や「自然との共生」に関する具体的な活動をまとめております。ご一読いただければ幸いです。

今後とも小田急グループは、事業活動と一体で、環境に配慮した取り組みを推進することにより、沿線価値の向上と社会的責任を果たし、社会とともに持続的に発展してまいります。引き続きご愛顧賜りますよう、お願い申しあげます。

2015年9月

環境に配慮した取り組みの推進(環境報告書2015)