安全関連投資等

お客さまに安心、便利、快適にご利用いただくため、鉄道事業の設備増強を進めています。なお、運転保安、踏切、防災対策などの安全関連投資として、2007年度は248億円の設備投資を実施し、2008年度については107億円を計画しています。
このほかに、設備の維持・保全など安全に関する費用(修繕費)として、2007年度は41億円を支出し、2008年度については45億円の支出を予定しています。

安全関連投資グラフ

2007年度の主な安全投資内容

  1. 高架化工事
  2. 踏切集中管視システムの導入
  3. D-ATS-Pの導入
  4. 車両の代変新造

連続立体交差化事業

異常事態対応訓練イメージ1
環状7号線との立体交差化工事

東北沢~和泉多摩川間の複々線化事業は、東京都の都市計画事業である「連続立体交差事業」と一体的に進めています。これまでに、世田谷代田~和泉多摩川間にあった30カ所の踏切を廃止しており、今後さらに代々木上原~梅ヶ丘間にある9カ所の踏切を廃止する予定です。

工事中区間(東北沢~世田谷代田間)概略図

工事中区間(東北沢~世田谷代田間)概略図

踏切集中監視システム

踏切支障報知装置などによる事故防止対策に加えて、万一踏切で事故や故障が発生した場合に、より迅速に対応するための「踏切集中監視システム」の導入を進めています。
このシステムは、各踏切の状態をリアルタイムに監視できるとともに、異常事態を検知した場合は、自動的に当該踏切の映像を電気司令所のモニタ画面に映し出します。また、映像に加え、集音・放送・電話機能も搭載しており、現場で作業にあたる係員が、電気司令所や電気システム管理所などと連絡を取ることが可能となり、電気司令所や電気システム管理所において現場の詳細な状況が把握できるようになります。同システムの設置工事は、2005年度より開始しており、2008年度末までに完了します。

踏切集中監視システム

踏切集中監視システム

列車制御システムの高度化

新列車システム(D-ATS-P *)導入

抜本的な安全性の向上をめざして、新たな列車制御システムの導入を図ります。このシステムは、各列車が先行列車に追突しないように、信号情報を連続的に列車に伝え、ブレーキを自動的に作動させることを可能にするほか、最新のデジタル技術を活用して、急曲線、分岐器、下り勾配などのきめ細かな速度制御が可能となります。
また、踏切内で支障報知装置が動作した際は、その情報を接近してくる列車に知らせ、自動的にブレーキを作動させることもできます。このシステムの導入により、ヒューマンエラーに起因する運転事故を防止し、列車運行の安全性がさらに向上します。車両に搭載するD-ATS-P装置の車両改造工事も進んでおり、今後は、D-ATS-Pの全線設置を目指してシステム構築を進めていきます。

D-ATS-P:Digital Automatic Train Stop Patternの略

東京メトロ千代田線への新たな直通運転用車両

新型通勤車両「4000形」の導入

新型通勤車両「4000形」を7編成(10両編成×7本、70両)製造し、2007年9月より順次、東京メトロ千代田線への直通運転用車両として営業運転を開始しました。
この通勤車両4000形は、 東日本旅客鉄道株式会社のE233系をベースに製造したもので、車体側面の柱や屋根材の強化により、車体強度の向上を図るとともに、電気機器や保安装置など、主要な機器・回路を2重系化することにより「故障に強い車両」とし、運行障害の低減を図っています。また、ホームとの段差縮小や優先席エリアの明確化など、バリアフリー化をより一層推進するとともに、一人あたりの座席スペースを拡幅し、居住性を向上させています。
このほか、当社の通勤車両としては初となる全密閉式の主電動機(モーター)の採用により走行音の低減を図るほか、90%以上の車体のリサイクル率(重量比)を実現するなど、「人と環境にやさしい車両」となっています。

新型通勤車両「4000形」
故障に強い新型通勤車両「4000形」
居住性が向上した「4000形」の車内
居住性の向上も図られた「4000形」の車内

お客さまに安全と安心を(安全報告書2008)