子どもと大人が協力して未知数の未来を乗りきろう これだけ変化が早く、先行きが見えず、また親が持っている偏差値重視・暗記型の学習経験も通用しない現代で、子どもをどう導けばよいのか不安を覚える方も多いのではないでしょうか。私たち大人がこれから意識していかなければいけないのは、子どもと大人が「パートナーシップ」を組んで生きていく姿勢です。確かに、親の方が社会経験は豊かかもしれないけれど、ITなど新しいツールを使いこなす能力や、時代を捉える感性、創造力は子どもたちの方が優れている部分も多いでしょう。親や先生が何かを「教える」という従来の発想を変えて、大人と子どもが一緒に考え、協力し合うことが、これからの新しい時代を生きていく上では大切なことなんです。「自己決定」の機会と「どうしたの?」を習慣に 子どもとよきパートナー関係を築くポイントは2つ。1つは、早いうちから「自己決定」の機会を多くつくること。例えばお出かけするときに雨が降りそうだったら、スニーカーを履くか長靴を履くか、自分で選ばせてみる。それで雨が降らなくても「自分で選んだ結果だからしょうがない」という自己責任感や自立心につながるし、雨が降れば「長靴を選んでよかった!」と自分の選択に自信を持て、自己肯定感が育まれるんです。 2つめは、子どもが失敗したときの対応に気をつけること。「だから言ったでしょ!」なんて頭ごなしに叱らずに、まずは「どうしたの?」と理由を聞いて、ちゃんと弁解させてあげましょう。その後は、失敗しちゃった、というつらい気持ちに共感して「大変だったね」「大丈夫、大丈夫」と声をかけていく。そうすると、子どもの心に元気が湧いてきます。そして、折れない心が育っていくんです。一方で親も子どもなりに何を考えて行動したのかという理由がわかると「そんなことを考えていたのね……」という発見や感動につながるのではないかしら。失敗は親子で成長するチャンス。ぜひ前向きに考えてくださいね。「子どもと親はこれからの時代を生き抜くための“パートナー”よ!」8
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