11子どもが挑戦しやすく、大人になっても思い出す家庭の味でもあるカレーライス作りを例に、親の関わり方のポイントを紹介します。単純に子どもに料理をさせればそれでいいというわけではありません。子どもの発達や成長と料理をすることがどのように関わっているのか、こどもコンサルタントの原坂一郎先生に伺いました。撮影/竹下アキコ 撮影協力/ABC Cooking Studio 子どもは年齢に関係なく、料理を体験すると「料理が上手になる」のはもちろん、さまざまな能力を伸ばしていきます。例えば、物事に積極的に向き合う力、自分で想像する力、少し先を見通しながら計画的に進める力、そして自分への自信。それらの成長と発達に大切なものを、料理はたくさん与えてくれるのです。 ただし、それらの能力を養うためには、子どもたちがなんらかの「満足感」や「快感」を味わうことが必要になります。「できた!」「楽しい!」「面白い!」の気持ちを味わってこそ、子どもたちの能力が養われ成長していくのです。そして子どもたちが能力を養うためのキーパーソンとなるのが、実は親なのです。親の関わり方次第、言葉の掛け方次第で、子どもは料理に取り組むことを好きになったり嫌いになったりします。子どもが料理をするとき、親はどのように関わっていけばよいのか、ポイントを見ていきましょう。子どもの料理体験を生かすのは親の関わり方が大切なのです!監修/原坂一郎先生こどもコンサルタントふるやかおりさん(32歳) けいとくん(5歳)神戸市で23年間にわたり6カ所の保育所で保育士を経験。現在はKANSAIこども研究所所長、日本笑い学会理事、関西国際大学・教育学部非常勤講師、保育士など多方面で活躍。著書に『子どもの本当の気持ちが見えるようになる本』(すばる舎)など。食材の洗い方や切り方が多少雑でも、後で親が「こうするとうまくできるよ」と簡単な理由を添えて優しく教えてあげればいいのです。失敗したことを指摘するのではなく、できたことを褒めてあげることが大切!幼稚園でもクッキングがあるけいとくん。大好きなカレーライス作りにワクワクがとまらない!質問を投げかけて子どもに想像・考えさせる多少の失敗には目をつむりどうすべきだったかを教える否定、禁止、命令言葉はNG肯定言葉で子どもに「快感」を!132PointPointPoint例えば、「カレーに入れる野菜はどれ?」「どのように盛り付けたらおいしそうかな?」などと質問をし、子どもに考えさせる場面を作りましょう。想像力や創作力、さらに予想する力などが養えます。「違うでしょ!」「もっとこうしないと」などの否定・命令言葉はできるだけ使わないように! 子どもは自分を否定されたと感じ、料理が楽しくなくなってしまいます。「すごーい」「そうそう!」など、子どもに“快”な気持ちをもたらす肯定言葉のみを使うくらいのつもりで。子どもに想像・考えさせるどうすべきだったかを教える肯定言葉で子どもに「快感」を!子どもが料理を体験するうえで大切なのは「満足感」や「快感」を味わうこと!さっそく実践!カレーライス作りを親子でやってみよう!カレーライス作りを親子でやってみよう!子どもが大きく成長する親子の笑顔の数だけ
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