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File 22017年度のトピックス特急ロマンスカー・GSE(70000形)に見る安全の取り組み 2018年3月、新型特急ロマンスカー・GSE※(70000形)が営業運転を開始しました。そのコンセプトは「箱根につづく時間(とき)を 優雅に走るロマンスカー」です。GSEは、これまでのロマンスカー以上に快適性、眺望性など、優雅な車内空間を提供していますが、それだけではありません。安全面についても根本的に見直し、開発を進めてきた車両です。その一つがロマンスカーの象徴である展望席の安全性向上です。車両の先頭にある展望席は、ダイナミックな眺望と開放的な空間を創出しています。万一の踏切事故に対しても、最新の解析技術を用いたシミュレーションを行い、事故の衝撃を後方へ逃がす車体の骨組み構造を新たに開発しました。逃がした衝撃力は車両の各連結部分に設置した衝撃吸収材で分散、減少させ、編成車両全体で展望席の安全を確保する構造としています。 その他にも、車両の走行振動をコンピュータが常時監視し、脱線など車両が一定以上の大きな振動を起こしたことを検知した場合に、直ちに非常ブレーキを作用させて列車を停止させる、車両挙動監視装置を搭載しています。 車内防犯についても監視の眼を強化しています。客室内、デッキ部に防犯カメラを設置し、常に車内の状態を記録しているだけでなく、非常ボタンが押された場合など、異常発生時は乗務員室に設置されたモニタにより、リアルタイムで乗務員が映像を確認できるようにしました。 このように安全に対し多くの機能を持ったGSEですが、一方でお客さまには、このような安全機能を意識することなく快適に、楽しい旅を楽しんでいただける車両に仕上げてあります。ロマンスカーのサービスは常に安全、安心の上に成り立っています。※ Graceful Super Express連結部分に衝撃吸収材を設置衝撃吸収部材を組み込んだボンネット052018年3月に就役した新しいロマンスカー、GSE。居住性や眺望性はもちろん、安全性もより高レベルなものとしています。

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