⑷ 代替通信手段の確保大規模地震発生後は、通常の通信網が被災したり、安否確認など多くの通信が輻輳(ふくそう)するなど、安全確認や復旧作業に必要な通信手段が機能しない事態が予想されます。このため、日頃より業務で使用している保守無線、専用電話回線、鉄道内線電話など当社専用の通信設備を、発災時の通信手段としても使用できるよう整備しています。また、衛星携帯電話やNTT災害時優先電話、JR電話を設置し、社外との代替通信手段を確保しています。⑸ お客さまへの情報提供公式アプリ「小田急アプリ」を配信し、列車運転状況や震災時支援マップ、ペアリング表示によるご家族などの位置情報表示(災害時のみ)などの機能を提供しています。また、主要駅では、運行異常が発生した際に、列車運転状況や他社線への振替輸送経路などを発信する「運行情報ディスプレイ」を設置しています。小田急アプリ運行情報ディスプレイ⑶ 津波からの避難対策本鵠沼~片瀬江ノ島間の各駅に「災害時の避難場所」を掲出するとともに、藤沢市が作成した「津波避難マップ」に基づき、鵠沼海岸駅~片瀬江ノ島駅間の架線柱に避難経路を示した看板を設置し、高台への避難方向を明確にしました。また、地震発生時のお客さまへの案内方法についてマニュアルを作成し、震災に備えているほか、大津波警報が発表され、直ちに列車の乗客や沿線のお客さまなどが避難する必要がある場合には、踏切遮断が避難の妨げにならないよう、電気司令所で藤沢~片瀬江ノ島間のき電線と配電線の給電を一括で停止し、踏切の機能を停止できるようにしました。これにより、閉まっている踏切の遮断かんを手で押し上げることで、避難者や自動車などの通行が可能となります。「災害時の避難場所」ポスター「災害時の避難場所」サイン⑵ 早期地震警報システムの活用地震発生時の被害軽減のため、2006年より「早期地震警報システム」を導入しています。これは一定規模以上の地震が発生した際、気象庁から配信される「緊急地震速報」を利用し、主要動の到達予想時刻・最大予想震度など当社線への影響を瞬時に判定。被害が予測される場合には、全列車に自動的に通報することにより、運転士が手動で列車を緊急停止させるものです。2019年3月11日には、大規模地震発生時の初期対応訓練として、運輸司令所から全列車に対して緊急停止の指令を発し停車する「一旦停止訓練」を実施しました。30
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