一般公募から選ばれたフォト作品が四季を駆け巡るカレンダーに。 小田急ロマンスカーカレンダー ロマンスカーフォト作品募集 受賞作品発表 一般公募から選ばれたフォト作品が四季を駆け巡るカレンダーに。 小田急ロマンスカーカレンダー ロマンスカーフォト作品募集 受賞作品発表

テーマ
「四季折々の風景を駆ける思い出のロマンスカー」

2020年7月より、小田急電鉄が開催いたしました「ロマンスカーフォト作品募集」の中から、最優秀賞1作品、優秀賞12作品を「小田急ロマンスカーカレンダー2021」の表紙・各月に採用させていただきました。このような季節感あふれるカレンダーを作ることができましたのも、多くのお客さまにご応募いただいたおかげでございます。ご応募いただきました皆さまに敬意を表するとともに、厚く御礼申しあげます。

小田急電鉄

ODAKYU ROMANCECAR CALENDAR WINNERS 【1月】富岳夕景 【表紙】春を駆け抜ける 【2月】春爛漫 【3月】古豪、最後の力走 【4月】ハルカゼ 【5月】泳げMSE! 【6月】絶好の行楽日和 【7月】大輪の夏 【8月】盛夏 【9月】実りの秋を迎えて 【10月】実りの御殿場路 【11月】あたたかな秋を行く 【12月】イルミネーションを駆ける

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第12回 小田急ロマンスカーカレンダー2021年 作品審査総評

ご応募の皆様の作品でカレンダーを制作する「小田急ロマンスカーカレンダー」も、2009年度の開始以来回を重ねてきましたが、今回で終了の運びとなりました。
毎年多くのロマンスカー作品を拝見させていただきましたが、その独創性とテクニックの高さに驚愕させられました。数多くある鉄道写真コンテストの中で「傑出するコンテストの一つだ」と確信しております。最終回にあたり、ご愛顧していただいた皆様にエールを送りたいと思います。

最終回は歴代のロマンスカー全てを対象とした「四季折々の風景を駆ける思い出のロマンスカー」の募集テーマで作品を募りました。四季の沿線情景を見事に織り込んだ1300点余の力作が寄せられました。厳正なる審査の結果、13名の方が受賞の栄誉に輝きました。
「富岳夕景」と題された作品は、影絵のような富士山を背景に新宿に向かうGSEが斜光に浮かび上がる瞬間を切り撮りました。冬の時節のライティングをきっちり計算し、見事な露出ワークで大気感を描写した1月の作品に最優秀賞をお贈りします。

鉄道写真家 諸河 久

【表紙】春を駆け抜ける

北川 治様

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【表紙】春を駆け抜ける

北川 治様

受賞作品講評

「小田急ロマンスカーカレンダー」の表紙を飾る作品をイメージすると、小田急ロマンスカーのフラグシップGSEの展望席が力強く躍動する光景が浮かんできます。桜花を背景に快走するGSEをブリリアントに表現した「春を駆け抜ける」が、カレンダーのコンセプトを代表する表紙に相応しい作品になりました。

最優秀賞

【1月】富岳夕景

小杉 悟様

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最優秀賞

【1月】富岳夕景

小杉 悟様

受賞作品講評

「富岳夕景」と題された作品は、影絵のような富士山を背景に新宿に向かうGSEが斜光に浮かび上がる瞬間を見事に捉えています。冬の夕方、斜光が差し込む時間帯をきっちり計算し、的確な露出ワークで背景とGSEの双方を個性的に描写した「富岳夕景」に最優秀賞をお贈りします。

【2月】春爛漫

菊池 宗弘様

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【2月】春爛漫

菊池 宗弘様

受賞作品講評

小田急沿線で四季の変化と四十八瀬川や川音川の渓谷美を表現できる区間が渋沢~新松田です。山道の途中に咲く紅梅を前景に大きく取り入れたフレーミングワークが功を奏して、梅の香りが漂ってくるような季節感を醸成しました。眼下の川音川を渡るフェルメール・ブルーのMSEとの色彩対峙も的確で「春爛漫」の題名に相応しい作品です。

【3月】古豪、最後の力走

副島 晋様

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【3月】古豪、最後の力走

副島 晋様

受賞作品講評

今回が最終回ということで、多数の初代ロマンスカーSSEの応募がありました。その中で春雪に覆われた富士山を背景に、最後の力走を記録した作品が3月を飾ってくれました。まだデジタルカメラが普及する以前のカラーポジフィルムで撮られています。デジタル撮影に比べると難しい露出ワークを上手にクリアしています。

【4月】ハルカゼ

林 亮一様

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【4月】ハルカゼ

林 亮一様

受賞作品講評

小田急沿線には多くの桜の名所がありますが、秦野駅手前の築堤北側に所在する秦野市上下水道局の桜並木もその一つです。満開時には小田急が観桜列車となり、車窓から桜が楽しめます。このようなシュチュエーションを視覚化したのが「ハルカゼ」の作品で、春陽に映えるムーンライトシルバーのEXEαが桜並木を背に躍動します。ここ一発の流し撮りを見事にヒットさせた力作です。

【5月】泳げMSE!

樋口 聡様

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【5月】泳げMSE!

樋口 聡様

受賞作品講評

御殿場線の主役がMSE「ふじさん」で、四季折々の素晴らしい鉄道情景の中を走ります。端午の節句に因んだ「鯉のぼり」と小田急列車との組み合わせは、この季節に狙ってみたいテーマの一つです。「泳げMSE!」と題されたこの作品は、薫風にたなびく鯉のぼりを前景に配し、背後のMSE「ふじさん」が初夏の陽に輝いた一瞬を狙いました。

【6月】絶好の行楽日和

小澤 宏様

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【6月】絶好の行楽日和

小澤 宏様

受賞作品講評

6月の花を代表するのが「紫陽花」です。小田原線の新松田~富水にかけては、紫陽花が沿線に咲き誇ります。前景に紫陽花、背景に足柄連山と残雪の富士山を上手にフレーミング。主役であるローズバーミリオンのGSEの色彩が、その存在をアピールしています。梅雨の晴れ間の気持ちの良い作品に仕上がりました。

【7月】大輪の夏

齊藤 聡様

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【7月】大輪の夏

齊藤 聡様

受賞作品講評

「ひまわり」は夏の季節を象徴する植物です。この作品を撮影した伊勢原界隈も田園地帯が展開し、四季折々の撮影モチーフを提供してくれます。被写界深度の深い広角レンズでひまわりに肉薄し、その存在感と季節感を強調しました。主役は箱根に向かう流麗なフォルムのVSEで、背景にしたブルーの丹沢連峰と夏空が格好のホリゾントとなりました。

【8月】盛夏

饗庭 正志様

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【8月】盛夏

饗庭 正志様

受賞作品講評

ローズバーミリオンのGSEと紺碧の夏空の対比を的確に捉えた大気感に溢れる「盛夏」が8月を飾ります。広角レンズで大きく取り入れた夏空と夏雲の中に存在感を示すGSE。絵柄の中のモチーフの配置が的確で、走り去るGSEから実りかけた稲穂に涼風が送られるような清涼感に溢れる好センスの作品です。

【9月】実りの秋を迎えて

神宝 啓孝様

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【9月】実りの秋を迎えて

神宝 啓孝様

受賞作品講評

伊勢原のフィールドで狙った実りの秋をテーマにした作品です。標準系のレンズワークで前景に入れた稲穂を素直なパースで表現しました。背景となった丹沢連峰と青空の配置も適正で、隙のないフレーミングワークを評価します。主役は懐かしいLSEで、リニューアル塗装に装われた時代の貴重な作品になりました。

【10月】実りの御殿場路

宮田 直之様

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【10月】実りの御殿場路

宮田 直之様

受賞作品講評

「実りの御殿場路」と題名された、新宿と沼津を結んだRSEが富士山を背景に走る懐かしいシーンです。未冠雪の富士山と稲穂を取り入れた構成で、秋の季節感が表現されています。それにも増して、富士山の中腹にかかった白雲の帯に視点が吸い寄せられました。千載一遇の自然現象をモノにした作者の力量に魅惑を感じました。

【11月】あたたかな秋を行く

北村 仰以様

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【11月】あたたかな秋を行く

北村 仰以様

受賞作品講評

「あたたかな秋を行く」の題名通りに、この作品からは小春日和の陽だまりの温かさと、菊花が醸成する香りが漂ってきます。秋の花である菊花をモチーフにした大胆な画面構成で季節感を強調しました。菊花のイエロー、秋空のペルシャンブルーとハーモニックパールブロンズのEXEの色彩競演が鑑賞のポイントです。

【12月】イルミネーションを駆ける

本田 健司様

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【12月】イルミネーションを駆ける

本田 健司様

受賞作品講評

クリスマスイルミネーションのイメージに彩られた幻想的な世界が展開します。夜を走るLSEの展望席がメインモチーフですが、その走行シュチュエーションにクリスマスイルミネーションの光と色彩の帯をダブルイメージした作品が「イルミネーションを駆ける」です。年末の12月に相応しい画面構成に仕上げた作者のセンスに喝采を贈ります。