2024.03.19

Enjoy Romancecar

ロマンスカーで行く日帰り箱根ひとり旅。
アートさんぽ、温泉スパ&ランチでのんびりリフレッシュ

人気の観光地箱根へ、新宿駅からの交通手段として断然便利なのがロマンスカー。全席指定、最速約75分の乗り換えなしで箱根湯本駅までアクセスできて、移動中は車窓から富士山ビューや、テーブル付きの座席で優雅な食事も楽しめます。今回は、トラベルフォトライターのたじはるさん(@haruka_tajima)が、高級旅館の温泉スパ&ランチやアート鑑賞、おしゃれな日本茶カフェなど、ロマンスカーを使って日帰り箱根ひとり旅を満喫します!

01 ロマンスカーでいざ箱根へ。
ナイスビューのGSEでゆったりモーニング

新宿駅発 ロマンスカー(GSE)で出発

今すぐに癒やされたい!リフレッシュしたい!と思ったときにおすすめなのがひとり旅。ひとりなら誰かと予定を合わせる必要もなく、自由気ままに旅を楽しめます!

今回は東京都内からすぐに行けて、温泉はもちろん、気分転換にぴったりな自然やアート、おしゃれなカフェも揃う人気観光地・箱根へ。新宿駅から最速約75分の乗り換えなしで箱根湯本駅までアクセスできる小田急のロマンスカーに乗れば、日帰りもらくちん。チケットもオンラインで予約・購入できるので、簡単に手配できちゃいます。

ロマンスカーの発車は、小田急新宿駅地上1階ホームから。

今回乗車したのは、両先頭車両の1号車と7号車に展望席が16席ずつ配置されたGSEという車両。真っ赤なローズバーミリオン色の車体に、ロマンスカーの伝統色であるバーミリオンオレンジ色の帯があしらわれています。一般席も、窓が大きくて、天井も高く、ご覧のとおりの開放感!ゆったりしていて座り心地もGOOD。座席の幅も広めなので隣の人も気にならず、快適に過ごせます。

(左から)VERVE COFFEE「パストラミアボカド」1200円、「IKEBANA」780円

各席に大きめのテーブルが備え付けられているので、発車前に新宿で購入した朝食をゆっくりいただきました。

7~8時台の出発だとオープンしている店も限られますが、駅直結の複合施設「NEWoMan 新宿」2階にある「VERVE COFFEE 新宿店」なら早朝7時から営業しています。

のんびり車窓を眺めていたら富士山が!乗車していると、多摩川橋梁や、秦野駅、新松田駅などの周辺で、何度もさまざまな角度から富士山を見ることができます。富士山は箱根湯本駅へ向かう往路、進行方向右側に見えるので、座るなら窓際のD席がおすすめ。天気のいい日はぜひ写真や動画に収めたり、車窓から雄大な景色を楽しんだりしてみてください。

たじはる's おすすめPoint

私は相棒のカメラと一緒に旅に出るのでどうしても荷物が多くなりがちなのですが、ロマンスカーは座席まわりに荷物フックが多いのが気に入りました。ひとりだとスマートフォンを見てしまいがちなのでバッテリーが心配ですが、GSEなら各席にコンセントがあるので安心です。また、座席幅も広く、ひとりでゆったり過ごせるので、個室にいるような気分を味わえるのもいいですね。

02 スパ内の源泉かけ流し温泉と、
スパ&ランチを贅沢に。「箱根吟遊」

「箱根吟遊」着
絶景ラウンジで日帰りプランへチェックイン

まず訪れたのは、箱根登山鉄道・宮ノ下駅から徒歩5分ほどの場所にある「箱根吟遊(はこねぎんゆう)」。箱根連山を一望する渓谷に立ち、全客室が絶景の露天風呂付きで、温泉や旬の食材を使用した懐石料理が楽しめるほか、「GinyuSpa」で五感を解き放つエステも受けられます。

貸切露天風呂で絶景入浴&
じっくり90分のボディトリートメント

「日帰りGinyuSpa +ランチ」2万5300円は、スパ内の源泉かけ流し貸切風呂 (30分)、ボディトリートメント(90分)にランチ(そば)が付いた1日1組限定プラン。1名から予約できるので、ひとり旅にはうれしいプランです。

離れにある「GinyuSpa」 は、異国情緒あふれるインテリアで、白檀(びゃくだん)が香り、鳥のさえずりも聞こえてきてリゾート感たっぷり。まず、源泉かけ流しの露天風呂で箱根の湯を堪能します。

入浴後に「箱根吟遊」オリジナルの「野草酵素」ドリンクをいただいたら、大きな窓から大自然も楽しめるスパルームへ。温泉で体の芯から温まった後のトリートメントはより効果的といわれています。「GinyuSpa」オリジナルのエッセンシャルオイルを使用して、セラピストによるオールハンドで心地よく90分、ゆったりとほぐされリ、フレッシュ。

開放感のあるバーでヘルシーそばランチ

トリートメントが終わったら、1階のガーデンラウンジにあるバー「明星」でそばランチ。なんとこのそばは「箱根吟遊」の契約田んぼで育てたという古代米の米粉を使った「米粉麺」。米粉特有のもちもちした食感とたっぷりの薬味で、ボリューミーなのにとてもヘルシーでおいしい!

たじはる's おすすめPoint

箱根といえば温泉!トリートメントを予約した人だけが利用できる源泉かけ流しの露天風呂を、贅沢にひとりじめできます。米粉の冷たいおそばも、タレがほのかに甘みを感じるやさしい味わいで、芯から温まった体に染みわたるおいしさ。ひとり旅なのでゆっくり味わえ、心も体もしっかりデトックスできました。

箱根吟遊「GinyuSpa」

住所
神奈川県足柄下郡箱根町宮ノ下100-1
電話番号
0460-82-3355
営業時間
10~20時(最終受付は18時)
料金
「日帰りGinyuSpa+ランチ」2万5300円ほか
※完全予約制、詳細は公式サイトをご確認ください。
https://www.hakoneginyu.co.jp/spa.html

03 癒やされた後はアート鑑賞。
自然も感じられる「彫刻の森美術館」

ガブリエル・ロアール『幸せをよぶシンフォニー彫刻』(1975年)

彫刻の森駅着 箱根の自然とアートにふれる
「彫刻の森美術館」へ

次に訪れたのは、箱根登山鉄道彫刻の森駅から徒歩2分ほどにある「彫刻の森美術館」です。日本初の野外美術館としても知られ、広大な外展示場には約120点の近・現代を代表するアートが展示されています。

『ネットの森』(2009年)

箱根の自然を生かした敷地内には、巨匠・ロダンの作品をはじめ、至る所に野外彫刻が点在しています。なかには近づいたり実際に触れたりできる体験型アート作品も。

高さ6m、幅20mの『ネットの森』は、小学生以下の子どもが中に入って遊ぶことができる作品。ネットはすべて手編みされたもので、木枠の制作を含めると完成までに約2年もかかったそう。ほかにもSNS映えする作品がたくさんあります。

松原成夫『宇宙的色彩空間』(1968年)

たじはる's おすすめPoint

敷地がとても広いので、自然を感じながら自由に自分のペースで回れるのがよかったです。たくさん歩いて、いい運動になりました。二次元コードをスマホで読み取る音声ガイドを、立ち止まってじっくり利用することもできます。実際に作品の中に入ったり触れたりして、時間をかけてこだわりながら写真を撮れたのもうれしかったです。また季節ごとに、何度でも訪れたくなる場所です。

彫刻の森美術館

住所
神奈川県足柄下郡箱根町二ノ平1121
電話番号
0460-82-1161
営業時間
9~17時(最終入館は~16時30分)
定休日
無休
料金
入館 大人1600円、高校・専門・大学生1200円、小・中学生800円

2024年4月1日より料金改定し、大人2000円、高校・専門・大学生1600円となります。(ほか改定なし)

04 箱根強羅で “至福の一杯” 。
おしゃれな日本茶専門店「茶石」

徒歩で「茶石」へ
センス抜群の専門店で選りすぐりの日本茶タイム

休憩にやってきたのは、箱根強羅公園の近くに2022年10月にオープンした「茶石(ちゃせき)」。日本各地から厳選した農園や生産者による、シングルオリジンの個性豊かな茶葉を扱う日本茶専門店です。

お店は美容室を改装したという和モダンの落ち着いた空間。箱根の伝統工芸である寄木細工のスツールが置かれた喫茶スペースがあり、日本茶がいただけます。カウンター7席のみ、しかも予約優先なので、おひとりさまでも気兼ねなく過ごせるのもうれしいポイント。

お茶の種類は「煎茶」900円~、「玉露」1800円~、「水出し冷茶」500円~(すべて自家製の干菓子付き)のほか、お茶を使用したカクテルも各種用意されています。目の前で丁寧にいれてもらえる日本茶は格別です。

(奥)「本日のお菓子」1個 200円~、(手前)「さえみどり(岡部)」1900円

今回はおすすめの「玉露」の「さえみどり(岡部)」をチョイス。「茶石」ではお湯の温度や蒸らし時間を変えながら3煎までいれてもらえるので、味の変化も存分に楽しめます。特に「玉露」は3煎いれたあとの茶葉も提供してもらえるので、そのままでいただくのはもちろん、お好みでポン酢をかけて味変しても◎。

甘味は箱根を代表する銘菓が日替わりで登場するそう。取材日は「孫三総本家・花詩」の「温泉餅」、鈴の形がかわいらしい「ちもと」の「八里」や、「菜の花」の「菜の花しぐれ」などがあり選べず、つい3つともセレクトしてしまいました。

帰りのロマンスカーをオンライン予約、
発券要らずでらくらく

こだわりの茶器を使用して日本茶をいれる所作の美しさに見惚れ、自宅でのお茶のいれ方などを聞いていたらあっという間に時間が。ここでさくっと帰りのロマンスカーをスマートフォンで予約。

ロマンスカーのチケットは、いつでもどこでもスマートフォンひとつで予約・購入できるのでとても便利です。しかもオンラインならロマンスカーの特急券は乗車3分前まで購入できて、時間変更も簡単(利用区間・人数の変更は不可)!座席の指定もできるのでとても便利です!

一般席の座席指定は、予約の場合は発車45分前まで、購入の場合は発車3分前まで指定できます。

「茶石」での“至福の一杯 ”の余韻に浸りつつ、ロマンスカーの席を確保したのでゆっくり強羅駅に向かい、箱根登山鉄道で箱根湯本駅へと戻ります。

たじはる's おすすめPoint

喫茶スペースはカウンター席だけ、店長さんもとても気さくなので、ひとりでも入りやすい!ひとりで訪れてじっくりお茶と向き合いたくなるお店でした。茶葉の販売もあり、パッケージがおしゃれなので、おみやげにもぴったり。待ち時間なくスムーズにお茶をいただけるよう予約がおすすめです。

茶石

住所
神奈川県足柄下郡箱根町強羅1300-307
電話番号
0460-83-8816
営業時間
10時30分〜17時30分
定休日
不定休

05 箱根みやげをさっそくおやつに。
ロマンスカーなら帰りも旅を満喫できる!

箱根湯本駅着 改札外のおみやげ店で箱根名物をゲット

一度箱根湯本駅の改札を出て、改札前にある「箱根の市」へ。箱根登山鉄道からロマンスカーへの乗り換え時間に合わせて、おみやげや駅弁を購入!定番のおみやげから、この店舗ならではのレアな箱根みやげまで豊富に揃っています。駅弁に加え、帰りのロマンスカーでつまめるちょっとしたおやつも買っちゃいました。

箱根の市

住所
神奈川県足柄下郡箱根町湯本707 箱根湯本駅構内
電話番号
0460-85-7428
営業時間
9~20時
定休日
無休

(左手前から時計回りに)「カカオの雫」3個入り 367円、
「箱根ラスク キャラメルアマンド」8枚入り 600円、
「箱根の坂 苺ショコラ」「箱根の坂 湘南ゴールドショコラ」各1個入り 240円

箱根湯本駅発 車内で駅弁を夕食に

ロマンスカーの座席はすべてテーブル付きなので、食事をするのに便利。車での移動だったらこんなにゆっくり落ち着いて夕食を味わうのは難しかったかも?と思いつつ、さきほど購入した駅弁をいただきます。

(左から)「デラックスこゆるぎ」1080円、「小田原レモン クラフトチューハイ」352円

アルコールが飲めるのも電車の旅ならでは。「箱根の市」のお酒部門で売り上げ第1位の「小田原レモン クラフトチューハイ」もおいしくいただきました♪ロマンスカーの乗車時間が癒やしのひと時に。

ひとりで旅の余韻に浸ったり、撮った写真を眺めたりしているとスマートフォンのバッテリーがピンチに。でも、GSEなら各席にコンセントが付いているので問題なし。充電器さえ持参すればOKです。

新宿駅着 大満足のロマンスカーでのひとり旅

箱根で目いっぱい観光しても、最速約75分のロマンスカーなら新宿駅到着時刻が遅くならないのがうれしいところ。終点なのでうっかり眠ってしまっても乗り過ごすことはありません。夕食も終え、ゆったりとくつろいでいたら、あっという間に新宿駅へ到着。高級旅館の温泉スパでランチ、アート鑑賞に、至極の日本茶まで、日帰りとは思えないほど、充実した旅になりました。ロマンスカーに名残惜しく「さようなら」の挨拶をして、箱根へのひとり旅は終わりを迎えます。

たじはる's おすすめPoint

車移動とは違って渋滞に巻き込まれることもなく、乗り換えなしのノンストップで都心まで帰れるロマンスカーはやはり便利!たくさん飲んで食べてもし眠くなっても、ゆったりしたシートでそのまま眠れてしまうのも魅力ですね。ひとり旅なら乗車中の時間を、有意義に使えます。箱根でエネルギーをたっぷりチャージして、明日からも元気にがんばれそうです。

小田急ロマンスカー

料金
新宿~箱根湯本 チケットレス特急料金1150円、特急料金1200円
販売場所
オンライン(チケットレス特急券)は、「ロマンスカーナビ」からのアクセスが便利な「EMot オンラインチケット」、「EMot(アプリ)」がおすすめです。
小田急線各駅の「自動券売機」やロマンスカー発車ホーム上の「特急券売機」でも購入可能です。

乗車の際には特急券のほかに乗車券が必要です

チケットレス特急券は特急券よりも50円引きとなります

Photo:田島知華

Text:小山亮子(vivace)

店舗·施設の休みは原則として年末年始·お盆休み·ゴールデンウィーク·臨時休業を省略しています。

掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。

【田島知華さんプロフィール】

旅人、フォトグラファー、ライターの三役をこなす「トラベルフォトライター」として情報を発信。
60ヵ国250都市以上へ渡航した経験をもとに、写真の撮り方や旅先でのファッション、カメラなどの旅アイテムを紹介する女子旅アドバイザーとしても活動。著作に『旅ガール、地球3周分のときめき』『海外ひとり旅ガールの便利帖』など。