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課題解決に取り組み
地域の価値を創出
小田急電鉄の
「climbers」チャレンジとは?

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小田急電鉄では、事業アイデア公募制度「climbers」を2018年からスタート。社内から広く新規事業のアイデアを募り、挑戦者とともに伴走するプログラムです。
キーワードは「地域価値創造」。地域の課題を解決することによる、新しい価値づくりを目指しています。

このclimbersで採択され新規事業に取り組む、山脇あゆ美さんと板谷拓人さん、そしてclimbers事務局・米田航さんの3名に、「地域価値創造」にチャレンジする意義や、それぞれの目指す姿について聞きました。

背景にあったのは、事業環境の変化によるイノベーションの必要性

(米田)人口が減少していくなかで、従来の旅客輸送や沿線での商業サービスに加えて、よりターゲットの広いビジネスモデルを確立する必要があるという認識から、社内イノベーションを促す試みとしてclimbersをスタートしました。2020年からのコロナ禍で、実際に鉄道業をはじめとする私たちの事業環境は大きく変化しましたし、新たな事業の可能性を探る重要度はさらに増しました。

小田急グループの経営ビジョンでも「地域価値創造型企業」というキーワードを打ち出し、1日約200万人の鉄道利用者だけでなく、それ以上の沿線にお住まいの方々に対して価値を提供し、ビジネスを拡大していく決意を表明しています。

米田さんイメージ

社会・個人の課題解決が新たな価値提供につながる

これまでに社内からは50名弱の挑戦者が生まれ、7年目となった2024年現在、5つのアイデアが事業化へと進んでいます。そのひとつ、「ママカレ」を起案したのが、climbers 1期生の山脇さんです。

山脇さんイメージ

(山脇)私は、時間的・物理的な制約の影響を受けやすい“ママ”の社会参加や交流、スキルアップのサポートを目的としたオンラインコミュニティメディアの運営に取り組んでいます。出産を経験した周囲の友人たちに話を聞くと、産後、社会との隔たりを感じていたり、仕事をセーブせざるを得なかったり、あるいは退職するなど、思うようにいかないことがより多くなるという実態を痛感しました。育児休業などの制度などは整ってきても、育児休業によって社会と切り離されたように感じたり、自分の道を見失ってしまったりする女性も多く、社会の損失につながりかねないと感じたのです。
そんなママたちが一歩踏み出すための場をつくりたいと生まれたのが、オンラインコミュニティメディア「ママカレ」です。ママカレでは、ママが求める情報を集めたり、ママの声を求めている企業を募り、アンケートや商品テストに協力したり、ママたちが主体的に参加できる環境づくりを進めています。

ママのためのコミュニティメディア ママカレ
ママのためのコミュニティメディア ママカレ

一方、事業化の一歩手前にいるのが5期生の板谷さん。板谷さんは、管理の行き届かない登山道の実態把握や、その情報共有を可能にするシステムの提供を目指す「登山道維持管理DX」に取り組んでいます。

登山道維持管理DXの取り組みイメージ

(板谷)私は登山が趣味で、そのなかで登山道がどんどん荒れて使えなくなっていることを実感しています。ただ、これら登山道の管理をしている国や自治体も手が回らなくなりつつあり、すぐに手を打てないのが現実です。こうした登山道の情報共有や管理をデジタル化することで効率を上げ、管理と利活用を目的としたサービス提供を実現したいと考えています。
2024年には山梨県の実証実験サポート事業にも採択され、県と共同で実証実験をスタートしました。ここで得られた成果や、他自治体とも実験を重ね、本格的な事業化へ向けて歩みを進めています。

板谷さんイメージ

(米田)板谷さんは、元々鉄道部門の運転士でした。climbersへのチャレンジは、大きな転機になったと思います。

(板谷)そうですね。最初は、本業との時間配分を決めて“かけもち”の状態でした。運転士の勤務はシフト制で、私が抜けた分のフォローをしてもらうことになりますし、本当に自分にできるだろうかと不安もありました。それでもこのアイデアを「人生をかけてやってみたい!」と思えたことと、職場からも「やってみなよ!」と背中を押してもらえたことが、決断の助けになりました。

一人ひとりが生活者の視点で解決したいことに向き合う

事務局の米田さんは、実は、かつてのclimbers挑戦者の一人とのこと。現在、事務局として挑戦者とどのように関わっているのかを教えてもらいました。

(米田)社員から出てくるアイデアは、趣味の延長であったり、小さな気づきがきっかけであったりすることも少なくありません。「何とかしたいけど……」と動けずにいる人も多いので、アクションを起こすためのサポートをしています。「自分がなんとかしなければ!」という熱量を大切にしてもらいながら、なぜその事業をあなたがやるのか、を突き詰めていく会話を大切にしています。

米田さんイメージ

ニュースで話題になっている社会課題や個人の問題に関心をもつ企業は多く、それだけに、もしも同じビジネスモデルとぶつかることがあっても折れずに続けられるかどうかをしっかりと見定める必要もあるといいます。

(米田)あくまで主体は挑戦してくれる社員。私たち事務局は、事業フェーズに沿った動き方や社内調整の進め方、さらにこれまでの挑戦から蓄積されている知見を提供するのが主な役割です。挑戦者の足を止めてしまうようなことになってはいけないのでスピード感も必要ですし、どんなところでつまずくのか、どんなサポートがあれば事業を進めやすいのか……といった気づきも毎回あり、お互いに学びながら取り組んでいます。
7年目を迎え、いくつもの事業を見てきて感じているのは、新規事業には「顧客視点」が欠かせないということ。climbersではお客さまが困っているその瞬間を目の当たりにするほか、一緒に経験しながら解決策を探すこともあります。顧客視点での思考ができる人が社内に増えることで、climbersの外側でもそういった視点が広がり、イノベーションにつながるのではと感じています。

climbersから生まれたアイデアの一部

いちのいち 自治会・町内会が抱えている担い手不足や回覧板の煩雑さなどの解決に向けた自治会・町内会向けSNS
IFLATs 暮らし方や働き方、学び方に関するリサーチを行い、地域の人材育成プログラムなどを推進するプロジェクト
ハンターバンク 獣害問題を抱える農林業者と、狩猟免許は取得したが狩猟する機会が見つけられていないハンターとのマッチングサービス
AOiスクール 小学生から高校生までを対象にした、不登校の時間で将来の自立を支援するオルタナティブスクール

既存事業にとらわれないアイデアから地域に新しい価値を創出できる企業へ。そんな小田急のビジョンの実現に向けた「climbers」の取り組みに、今後もご注目ください。

※内容は取材時のものです。

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小田急電鉄㈱
デジタル事業創造部 課長代理 山脇 あゆ美
同         板谷 拓人
同         米田 航

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