2014年度に発生した国土交通省令「鉄道事故等報告規則」に基づく、「鉄道運転事故」「輸送障害」「インシデント」の発生状況についてお知らせします。

鉄道運転事故などの件数の推移について。

「鉄道運転事故」について、2014年度は、「踏切障害事故」が3件、「鉄道人身障害事故」が8件、「鉄道物損事故」が1件の計12件が発生しました。

また、「輸送障害」(鉄道運転事故以外のもので、運休または30分以上の遅延が生じたもの)は23件、「インシデント」(鉄道運転事故が発生するおそれがあると認められる事態)は発生していません。

鉄道運転事故等の件数の推移

鉄道運転事故の分類

列車衝突事故 列車が他の列車又は車両と衝突し、又は接触した事故
列車脱線事故 列車が脱線した事故
列車火災事故 列車に火災が生じた事故
踏切障害事故 踏切道において、列車又は車両が道路を通行する人又は車両等と衝突し、又は接触した事故※
道路障害事故 踏切道以外の道路において、列車又は車両が道路を通行する人又は車両等と衝突し、又は接触した事故
鉄道人身障害事故 列車又は車両の運転により人の死傷を生じた事故(前各号の事故に伴うものを除く)※
鉄道物損事故 列車又は車両の運転により500万円以上の物損を生じた事故(前各号の事故に伴うものを除く)
  • 自殺によるものは「輸送障害」になります。

相模大野駅構内における車両脱線事故(鉄道物損事故)が発生しました。

[1]発生日時

2014年6月19日 18時09分頃

[2]発生場所

相模大野駅構内

[3]発生状況

車庫線から相模大野駅1番線ホームに向かう入換車両が、入換信号機手前の所定位置で一旦停止後、再度走行を開始したところ衝動と停電が発生し、同信号機から約103mの地点で停止しました。車両を確認した結果、進行方向前方から3、4、6両目が脱線していました。(合計5軸)

[4]原因

軌道・車両の整備基準を逸脱した箇所はありませんでしたが、最初の乗り上がり痕のあった分岐器は側線用8番分技器という構造的な特徴がある分岐器であることに加え、平面性変位(※)が設計値よりやや大きかったこと、脱線した車両が車輪削正後、走行距離が比較的短く、レール・車輪間の摩擦係数がやや大きくなっていた可能性があることなどが複合的に影響し、脱線したものと推定しています。

  • 一定距離を隔てた二点の水準変位の差

[5]再発防止策

①脱線した分岐器と同種の分岐器への再発防止策

  • 脱線防止ガードレールの設置
  • 普通分岐器への変更

②車両関係の再発防止策

  • 削正後のすべての車輪フランジ部に塗油

(ただし、制動力に影響を与える可能性があることから、状況を継続的に観察し、適切に対応していきます。)

以上の再発防止策のほか、社内プロジェクトチームを立ち上げ、電車からお客さまが降車するための避難ハシゴの更新や列車脱線復旧機材の見直しなどを進めています。

お客さまに安全と安心を(安全報告書2015)