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子育て世代も多く利用する江ノ電。江ノ島電鉄㈱では、沿線住民や訪れるお客さまのために、地元の鎌倉女子大学と共同で子育てを応援するプロジェクトを行っています。産学連携企画の一つですが、そこには学生たちと考えたアイデアが詰まっています。地域とのつながりが深い江ノ電だからこそできる、その取り組みを紹介します。
地域の大学と一緒に、子どもたちとふれあう
江ノ電沿線の子育てを応援するために、江ノ島電鉄と鎌倉女子大学が協力して行っている「えのでん・えほんプロジェクト」。この活動のきっかけを江ノ島電鉄 経営管理部の西口耕平さんはこう話します。
「『たくさんの笑顔を創りたい。』というスローガンを掲げて、子育てをテーマにしたさまざまな取り組みを行っています。2023年の夏には、普段お客さまと接する機会の多い駅で働く社員にアンケートを実施したのですが、その中で特に多かったのが、『子どもたちのために何かしたい』という声でした。そこで極楽寺駅の旧駅舎を使って地域の子どもたちと、子育てに奮闘するママやパパを対象にした取り組みを、鎌倉女子大学と連携してできないかと考えたのが始まりです。自分自身が子育て真っ最中というのも大きな原動力となっていますね」。

保育士や幼稚園教諭を目指す鎌倉女子大学児童学部児童学科の学生にとっても経験を積む良い場になると、このプロジェクトは一気に進んでいきます。こうして、学生と江ノ電の社員が一緒になって、子どもたちとそのご両親に楽しんでもらう取り組みがスタートしました。
コンセプトは、「“おやこ”でひとやすみ・“えほん”にであう・“なかま”とつながる」。2024年4月から、誰でも無料で参加できる乳幼児向けの絵本の読み聞かせ会を月1回のペースで開催しています。

コミュニケーションが生れる場所づくり
絵本の読み聞かせ会は、学生たちが選んだおすすめの絵本の紹介や、すぐに実践できる絵本の読み聞かせ方など、「子どもの専門家」になる勉強をしている学生ならではの、子育てに役立つ内容になっています。
「2024年8月に鎌倉市子育て支援センターと協力して企画したスペシャルデーを境に、一気に地域のお客さまに知られるようになりました。今では鉄道の沿線だけでなく、バスの沿線でも人気のイベントになりつつあります」と西口さん。
また、学生たちからはたくさんのアイデアが生まれ、手形や足形で子どもたちの成長を記録したり、歌遊びや手遊びをしたりと、読み聞かせ以外のプログラムも増えました。毎回イベントの内容が変わるところも「何回参加しても楽しい」とリピートされるお客さまにも好評です。子育て世代同士が集うことで自然にコミュニケーションが生まれるなど、交流の場としても喜ばれています。


江ノ電らしさを生かし、沿線を一緒に盛り上げる
極楽寺駅の旧駅舎で行う毎月の読み聞かせ会のほか、大きな会場で行うスペシャルデーの開催もこれまでに合計で13回を数え、スペシャルデーでは100名単位のお客さまが来場するイベントに成長しました。

現在ではさらに広がりを見せ、学生や共創を進めている企業とともに考えた「飛び出す布おもちゃ」の開発も進められています。飛び出す布おもちゃは、手触りを感じたり、音が出たりと、楽しく読むための仕掛けが施された絵本で、知育玩具としても近年注目されています。
「口に入れても安全・安心な素材で作った商品ですので、自信を持っておすすめできます。おかげさまで、すでに購入したいというお客さまの声も多くいただいています」(西口さん)
幼少期から江ノ電を身近に感じてもらい、生涯にわたって親みを持って、愛し続けてほしい。そんな思いで取り組んでいる「えのでん・えほんプロジェクト」。これからも、子どもを中心にした江ノ電らしい子育て応援プロジェクトで沿線を盛り上げていきます。
※内容は取材時のものです。