一般公募から選ばれたフォト作品が四季を駆け巡るカレンダーに。 小田急ロマンスカーカレンダー ロマンスカーフォト作品募集 受賞作品発表 一般公募から選ばれたフォト作品が四季を駆け巡るカレンダーに。 小田急ロマンスカーカレンダー ロマンスカーフォト作品募集 受賞作品発表

テーマ
「季節を旅するロマンスカー」

2018年6月より、小田急電鉄が開催いたしました「ロマンスカーフォト作品募集」の中から、最優秀賞1作品、優秀賞12作品を「小田急ロマンスカーカレンダー2019」の表紙・各月に採用させていただきました。このような季節感あふれるカレンダーを作ることができましたのも、多くのお客さまにご応募いただいたおかげでございます。ご応募いただきました皆さまに敬意を表するとともに、厚く御礼申しあげます。

小田急電鉄

ODAKYU ROMANCECAR CALENDAR WINNERS 【1月】斜光に輝くGSE 【表紙】新緑を駆けるGSE 【2月】冬の朝、多摩川にて 【3月】黄色い絨毯 【4月】紺碧の矢 【5月】新緑に映えるふじさん号 【6月】フライング!夏空を運んできたEXE 【7月】Splash! 【8月】河畔にて 【9月】秋の季節 【10月】秋晴れを行く 【11月】秋、輝く 【12月】黄昏の山を背に

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第10回 小田急ロマンスカーカレンダー2019年 作品審査総評

3月にGSEがロマンスカーのラインナップに加わり、7月に惜しまれつつLSEが定期運行を終了するという話題に富んだ年になりました。「季節を旅するロマンスカー」の募集テーマで作品を募りましたところ、沿線の情景を上手に取り込んだ力作が多数寄せられました。厳正なる審査の結果、13名の方が受賞の栄誉に輝きました。

「斜光に輝くGSE」と題された酒匂川橋梁を渡るGSE。大胆なライティングワークとバランスの取れた構図。難しい露出ワークをモノにした光輝感に溢れる1月の作品に最優秀賞をお贈りします。

鉄道写真家 諸河 久

【表紙】新緑を駆けるGSE

野渡 優弥様

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【表紙】新緑を駆けるGSE

野渡 優弥様

受賞作品講評

今春デビューしたGSEは小田急ロマンスカーのフラッグシップとして、その活躍が期待されます。「新緑を駆けるGSE」と題されたこの作品は、爽やかな新緑のグリーンとGSEのローズバーミリオンを見事に対比させました。難易度の高いスローシャッターによる「流し撮り」も決まって、スピード感に溢れた表紙にふさわしい作品です。

最優秀賞

【1月】斜光に輝くGSE

宮田 直之様

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最優秀賞

【1月】斜光に輝くGSE

宮田 直之様

受賞作品講評

澄み渡った真冬の大気と日没寸前の斜光。一瞬のフォトジェニックなタイミングの中で、光り輝くGSEを描写しました。大胆なライティングワークと、その難しい露出ワークをモノにした撮影テクニック。画面右側に取り入れた一本の松により、バランスの取れた構図。作者の計算し尽くされた撮影意図を絶賛したい「最優秀作品」です。

【2月】冬の朝、多摩川にて

谷口 俊恭様

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【2月】冬の朝、多摩川にて

谷口 俊恭様

受賞作品講評

小田急の撮影地として、すっかりお馴染みになった多摩川橋梁です。朝もやに朝日が映えて、朱色の背景を演出してくれました。一瞬の静けさを打ち破るように、新宿行きのEXEαが渡河してゆきます。背景の建物の配置や、レールラインの置き方も穏当です。EXEαのムーンライトシルバーが上手に色再現された作品です。

【3月】黄色い絨毯

小杉 悟様

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【3月】黄色い絨毯

小杉 悟様

受賞作品講評

「黄色い絨毯」と題された、3月にマッチした作品です。菜の花の黄色、紺碧の青空の中に、GSEのローズバーミリオンがその存在感を主張します。やや低めのカメラアングルから、鮮やかな菜の花畑を広々とした絨毯のように描写しました。菜の花の香りに乗って、GSEの通過音が心地良く聞こえてくる作品です。

【4月】紺碧の矢

副島 晋様

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【4月】紺碧の矢

副島 晋様

受賞作品講評

4月といえば桜花が定番です。寒暖差のある御殿場線沿線の桜は、平地の桜よりも枝振りにメリハリがあります。「あさぎり」から「ふじさん」に改称された、MSEと桜の競演は魅力的です。「紺碧の矢」と題された作品は、シャドーを背景にした満開の桜花を大きく取り入れました。MSEのフェルメール・ブルーの色再現も適切です。

【5月】新緑に映えるふじさん号

鈴木 正夫様

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【5月】新緑に映えるふじさん号

鈴木 正夫様

受賞作品講評

自然豊かな御殿場線に乗り入れる「ふじさん」の車窓からは四季の移ろいが、何度か渡る酒匂川の川面からは清涼感が伝わってきます。「新緑に映えるふじさん号」は、こんなフレーズがぴったりの作品です。主役のMSEを遠景に据えて、背景の深山、中景に酒匂川の清流、前景には新緑を配した画面構成は見事で、季節感が溢れています。

【6月】フライング!夏空を運んできたEXE

野村 勇希様

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【6月】フライング!夏空を運んできたEXE

野村 勇希様

受賞作品講評

2018年は異常気象で、梅雨空が続くはずの6月に早々と夏空が拡がってしまいました。この季節の季題のひとつが「紫陽花」です。雨を含んで暗緑色に咲くイメージから一変して、青空に向かって主張する紫陽花となりました。EXEを的確なシャッターチャンスで捉えたことと、紫陽花を上手に取り入れたフレーミングセンスを評価します。

【7月】Splash!

饗庭 正志様

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【7月】Splash!

饗庭 正志様

受賞作品講評

「Splash!」これぞ夏にふさわしい、躍動感と清涼感に富んだ作品です。陽光の中に跳ね上がる水しぶきの向こうに、ローズバーミリオンのGSEが快走します。フレームの左右を一杯に使った列車の設定やレールラインの上手な配置など、この一瞬に賭けた作者の撮影センスに拍手を贈ります。

【8月】河畔にて

齊藤 聡様

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【8月】河畔にて

齊藤 聡様

受賞作品講評

これも2月と同じ、多摩川橋梁の作品です。季節が冬から盛夏になり、多摩川の水が涼しげに流れてゆきます。夏の季題を反映するのが、前景を構成する貸ボート群です。川畔から見上げる橋梁上にGSEがピタリと収まりました。川と空の面積比とレールラインの置き方が上手で、暑さの中に清涼感を感じさせてくれます。

【9月】秋の季節

輿石 宇一様

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【9月】秋の季節

輿石 宇一様

受賞作品講評

たわわに実った「稲穂」は、収穫の秋を代表する季題です。小田急沿線には稲作農家が健在で、特急ロマンスカーと稲穂を組み合わせた作品が各所で狙えます。「秋の季節」は、ワイド系のレンズワークで黄金色の稲穂を広く取り入れ、シルキーホワイトのVSEと対比させました。全体のバランスを上手にまとめた秋を実感する作品です。

【10月】秋晴れを行く

神宝 啓孝様

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【10月】秋晴れを行く

神宝 啓孝様

受賞作品講評

「コスモス」も秋の季題にふさわしい花でしょう。作者は望遠系のレンズワークで、前景のボケとしてコスモスを描写し、季節感を醸成しています。主役はムーンライトシルバーに装ったEXEαです。基本編成と付属編成の連結部を大胆に切り取り、10両編成のロマンスカーというイメージを上手に伝達しています。

【11月】秋、輝く

木村 かおる様

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【11月】秋、輝く

木村 かおる様

受賞作品講評

関東地方で銀杏(いちょう)が色付く頃は、もう晩秋に差し掛かっています。「秋、輝く」は、鮮やかな黄金色に色付いた銀杏がモチーフです。構図的には4月の「紺碧の矢」と一脈通じる画面構成です。画面いっぱいに展開した黄金色の銀杏に、MSEのフェルメール・ブルーが存在感を顕示しています。

【12月】黄昏の山を背に

今國 朗様

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【12月】黄昏の山を背に

今國 朗様

受賞作品講評

「富士山」とロマンスカーの好撮影地が、小田急沿線に点在しています。晩秋から晩春までが富士山の撮影季節といえましょう。冬至を過ぎた好天の夕方には、この作品のような黄昏の富士山と、シルキーホワイトを黄色に染めたVSEとの出合いが体験できるのです。希少なシーンをモノにした、作者の執念に賛辞を贈ります。