財務担当役員メッセージ
財務担当役員メッセージ

資本コストや株価を意識した経営を一層推進
当社グループは、2030年度の連結財務目標として、「ROE10%以上、営業利益800億円以上」を掲げており、事業収益性と資本効率の向上を、より高次元で両立させていくという、成長に対する強いコミットメントをステークホルダーの皆さまにお示ししています。経済・社会・環境のいずれにおいても求められる水準が高まるなか、それぞれの変化に的確に対応しながら、企業としての持続性と競争力を発揮し続ける強い意志の表れでもあります。今後の実績を着実に積み上げていくことで、皆さまからの信頼を得ていきたいと考えています。
我々がとりわけ重視しているのは持続的な成長の実現です。それは売上・利益の向上だけでなく、投資に対する収益性の最大化を通じて、資本効率性の指標であるROAに成果を反映させることだと考えています。金融市場における当社の信頼を高め、調達コストの抑制、ひいては市場評価の向上へとつなげていくことが、私たちの理想の財務戦略です。そのためにも、これまで以上に資本コストや株価を意識した経営と戦略的かつ緻密な財務運営が不可欠であると認識しています。
エクイティ・スプレッドの拡大に向けた要素分解を徹底
資本コストや株価を意識した経営を実践するに当たり、「エクイティ・スプレッドの拡大に向けたROE向上と株主資本コストのコントロール」を当社の課題として捉えています。
中期経営計画の中で、エクイティ・スプレッドの拡大に向けた要素を分解し、それぞれの要素の具体的な施策まで落とし込んだツリー図を公表しています。なかでも、連結財務目標としても掲げた「ROEの向上」が当社において最も重要であると考えています。

ROE向上にグループ一丸となって取り組む
「ROEの向上」には、「ROAの向上」「財務レバレッジ拡大」の両輪を強化していく必要があります。
一つ目の「ROAの向上」では、グループ全体での2030年度の営業利益ROA目標を5.0%以上に設定しました。2025年度の営業利益ROA4.0%から着実に引き上げていくため、セグメント別ROA目標も設定しています。
また、セグメント別ROA目標の設定とあわせて投資や利益獲得の進捗を定期的にモニタリングする体制も構築し、改善点の早期把握と速やかな対策を実施することで、着実に目標を達成してまいります。
二つ目の「財務レバレッジの拡大」では、2030年度までに自己資本比率を30%まで圧縮し、2025~2030年度で累計2,000億円の株主還元を実施する予定です。2026年度は、200億円の自己株式を取得することを公表しました。加えて、配当については、2025年度は、1株当たり年間55円(対前年15円増配)とし、さらに2026年度は1株当たり年間60円(対前年10円増配)を予定しています。なお、2023~2026年度平均の連結総還元性向は、約56%※と目標としていた40%以上※を大幅に上回る見込みです。引き続き2030年度にかけて、累進配当、2,000億円の株主還元を実現してまいります。
4ヵ年合計総還元額/4ヵ年合計親会社株主に帰属する当期純利益
ROE向上と両輪で進める株主資本コストのコントロール
エクイティ・スプレッドの拡大に向けたもう一つの観点である株主資本コストのコントロールについては、「サステナビリティ経営の推進」と「市場との対話強化」の二つを掲げています。「サステナビリティ経営の推進」では、マテリアリティにおいて設定したありたい姿・目標に向かって着実に取り組みを進め、その進捗を的確に開示することで、ステークホルダーの皆さまの当社への理解を一層深めてまいります。
また、「市場との対話強化」では、機関投資家やアナリストの皆さまとのミーティングの機会を定期的に設けるとともに、統合報告書や決算説明資料において財務・非財務の情報を一体的に発信するなど、当社グループの成長ストーリーへの理解促進を図ってまいります。さらに、対話によって得られた市場からの意見を、取締役会や執行役員会へフィードバックし、経営判断にも反映させることで、投資家の皆さまとの信頼を長期的に構築するエンゲージメントの強化につなげています。このように、市場・投資家の皆さまからの信頼性を向上させることで、株主資本コストの低減につなげていきます。
これら「ROE向上」と「株主資本コストのコントロール」に向けた取り組みは、それぞれ単独ではなく相互に連動して機能することにより、結果としてエクイティ・スプレッドの最大化を可能にします。今後も当社は、財務戦略とサステナビリティ経営を統合的に推進することで、企業価値の継続的な向上と持続的な成長の実現に向けて邁進してまいります。
