交通業

新宿から小田原までを結ぶ小田原線をはじめ、江ノ島線、多摩線の3路線、計120.5㎞(全70駅)を運営する当社を中心に、主に東京と神奈川において鉄道・バス・タクシー等の交通手段を提供するグループ会社を有し、地域の交通インフラを担っています。
小田急沿線は、27市区町村、人口約520万人におよび、1日平均乗降人員10万人規模の地域の拠点となる駅が点在しており、都市・郊外から、箱根や江の島といった観光地まで、多様な地域を結んでいます。

サブセグメント

鉄道業 当社鉄道事業のほか、株式会社小田急箱根や江ノ島電鉄株式会社が、通勤・通学や観光地における輸送サービス等を提供しています。
バス業 東京・神奈川を中心としたエリアにおいて、路線バスや高速バスの運行等を行っています。
その他 箱根エリアにおける船舶・ロープウェイといった観光郵送や、タクシーの運行等を行っています。

営業収益構成比(2024年度)

営業収益・営業利益

軌道モーターカー

当社年間輸送人員の推移

ダンプトロリー

2024年度の主な取り組み

中央林間駅ホームドア

鉄道業では、輸送面において、本年3月、ご利用ニーズの高い平日夜間の特急ロマンスカー増発や、列車種別ごとの停車駅の見直し等、利便性の向上を目的としたダイヤ改正を実施しました。また、通勤車両5000形2編成を増備したほか、通勤車両3000形について、多様なお客さまのニーズに対応すべく、全車両へ「車いす・ベビーカースペース」を設けるとともに、環境面に配慮したリニューアルを実施し、3編成が営業運転を開始するなど、輸送サービスの向上を図りました。
営業面では、昨年4月、特急ロマンスカーをお得にご利用いただけるサブスクリプション電子チケット「EMot(エモット)ロマンスカーパスポート」の販売を開始しました。さらに、昨年9月、インバウンド旅行者向けに、月間6,500万人が訪問する旅行・レジャー予約サイト「Klook(クルック)」で購入した交通・体験等のチケットを「EMotオンラインチケット」で発券できるデジタルチケットサービス開始するなど、MaaSアプリケーション「EMot」を活用した諸施策を引き続き実施しました。また、多摩線開業50周年を記念した各種イベントを開催するなど、積極的な旅客誘致による収益の向上に努めました。
施設面では、列車運行の安全性を一層高めるため、相模大野駅、海老名駅、中央林間駅および大和駅にホームドアを設置したほか、大規模地震による被害を抑制すべく、相模大野駅~東林間駅間の橋梁等の耐震補強工事を実施しました。また、犯罪の抑止や事件の早期解決等を目的として、特急車両2編成および通勤車両32編成に車内防犯カメラを設置しました。
バス業では、小田急バス㈱において、昨年10月、乗車ポイントサービス「小田急おでかけポイント」を導入し、乗車時にPASMOを利用したお客さまに対して小田急ポイントの付与を開始するなど、利便性の向上を図りました。また、各社において、運転士不足が生じている状況を踏まえ、安定した輸送サービスを今後も持続的に提供していくため、適正な労働環境の確保を目的としたダイヤ改正や待遇改善等に向けた運賃改定を実施しました。

不動産業

沿線を中心に、商業施設やオフィスビル等の賃貸・運営のほか、住宅供給等の不動産業を展開しています。収益の第一の柱とするため集中的に資本を投下しており、現在、当社最大のプロジェクトである「新宿駅西口地区開発計画」が進行中。
下北沢や海老名等の中核駅周辺エリアにおいても、個々の立地特性や周辺環境を踏まえた開発を進めているほか、回転型投資や海外不動産事業をはじめとした投資手法の拡大を外部パートナーとともに進めています。

営業収益構成比(2024年度)

サブセグメント

不動産分譲業 東京・神奈川を中心としたエリアにおいて、販売業・投資開発業等を運営しています。
不動産賃貸業 株式会社小田急SCディベロップメントが運営する商業施設のほか、オフィスや住宅の賃貸を行っています。
その他 株式会社小田急ビルサービスが駅、オフィス、商業施設等のビル管理・メンテナンス業を行っています。

営業収益・営業利益

主要な賃貸物件

オフィスビル エリア 賃貸面積
小田急サザンタワー 新宿 約47,000㎡
ViNA GARDENS OFFICE 海老名 約22,000㎡
商業施設 エリア 賃貸面積
新宿西口ハルク 新宿 約26,000㎡
フラッグス 新宿 約9,500㎡
新宿ミロード 新宿 約8,700㎡
新百合ヶ丘エルミロード 新百合ヶ丘 約40,000㎡
ビナウォーク 海老名 約69,000㎡

2024年度の主な取り組み

小田急不動産
ロジスティクスセンター蟹江(愛知)

不動産分譲業では、小田急不動産㈱において、「リーフィア狛江 蒼翠の街」等の戸建住宅や、「リーフィアレジデンス調布小島町」をはじめとしたマンションを分譲するなど、収益の確保に努めました。
不動産賃貸業では、当社、東京地下鉄㈱および東急不動産㈱を事業主体とする新宿駅西口地区開発計画において、新築工事や、旧小田急百貨店新宿店本館跡地の地下部分等の解体工事を引き続き実施しました。加えて、当社は、㈱小田急SCディベロップメント等と協働のうえ、昨年6月、「藤沢市立鵠沼海浜公園」について、スケートパークのスケールアップおよび商業機能の新設等を行い、「鵠沼海浜公園HUG-RIDE PARK(ハグ-ライド パーク)」としてリニューアルオープンするなど、各エリアの開発計画を鋭意推進しました。また、㈱小田急SCディベロップメントにおいて、新宿駅西口地区開発計画の進捗に伴う「新宿ミロード」の閉館に先立ち、「新宿ミロード フィナーレキャンペーン」を開催し、各種イベントの実施を通じた集客に努めたほか、商業施設「新百合ヶ丘エルミロード」や「本厚木ミロード」のリニューアルを実施するなど、施設の充実および活性化を図りました。
このほか、小田急不動産㈱において、昨年9月、物流施設「小田急不動産ロジスティクスセンター蟹江」が竣工するなど、事業規模拡大に努めました。

生活サービス業

日々のくらしに密着したサービスと心躍るコンテンツを展開している百貨店業やストア・小売業、レストラン飲食業に加え、新宿や箱根等の沿線にある多彩な観光地の魅力向上に資するホテル業等で構成しています。将来にわたって選ばれる沿線、訪れたくなる沿線を目指し、顧客ニーズを捉えたサービスの提供やサステナブルツーリズムの推進、地域の社会課題解決を起点とした新しいビジネスの展開等、地域価値創造に向けた取り組みを推進しています。

営業収益構成比(2024年度)

サブセグメント

百貨店業 株式会社小田急百貨店が新宿・町田・ふじさわの3店舗を展開しています。現在、新宿店は新宿駅西口地区開発計画に伴い、隣接する「新宿西口ハルク」の百貨店フロアを「食品」「化粧品」「ラグジュアリー」中心に再編成し、営業しています。
※ 売り場面積は2割程度に縮小
ストア・小売業 小田急商事株式会社が運営するスーパーマーケット「Odakyu OX」をはじめ、沿線の生活を支える店舗を展開しています。
ホテル業 株式会社ホテル小田急サザンタワーが新宿エリアで運営している「小田急ホテルセンチュリーサザンタワー」や、株式会社小田急リゾーツが運営している箱根リゾートホテル等、地域のニーズに合わせたさまざまな形態のホテルを展開しています。
レストラン飲食業 株式会社小田急レストランシステムやジローレストランシステム株式会社が、駅構内や沿線外において多様なレストランを運営しています。
その他 地域価値向上のため、旅行業や人材派遣業等のさまざまな事業を展開しています。

営業収益・営業利益

2024年度の主な取り組み

小田急ホテルセンチュリーサザンタワー
「サザンタワーダイニング」

百貨店業では、㈱小田急百貨店の全店において、昨年9月、㈱NTTドコモが提供するポイントサービス「dポイント」を導入したことに加え、催事をはじめとする各種営業施策を積極的に展開するなど、収益の確保に努めました。
ストア・小売業では、小田急商事㈱が運営するスーパーマーケット「Odakyu OX」において、愛甲石田店が新規オープンするとともに、狛江店の専門店フロアがリニューアルオープンしました。加えて、各店で買い回りしやすい売り場づくりに努めるなど、お客さまの利便性向上を図りました。
ホテル業では、UDS㈱を外部譲渡したものの、㈱ホテル小田急サザンタワーが運営する「小田急ホテルセンチュリーサザンタワー」において、昨年6月、「サザンタワーダイニング」のメニューを充実させるとともに、眺望を楽しめる食事スペースを増席するなど、より使いやすく、居心地の良い食体験の提供に努めました。
レストラン飲食業では、ジローレストランシステム㈱において新規業態を開発したほか、㈱小田急レストランシステムにおいて新規出店を実施するなど、集客力の強化を図りました。