経営ビジョンの実現に向けて

株主・投資家の皆さまにおかれましては、平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

当社が経営ビジョン「UPDATE 小田急~地域価値創造型企業に向けて~」の実現を目指すにあたり、私の最も重要な役割は、中期経営計画に掲げた施策を着実に推進し2030年度のROE10%以上、営業利益800億円を達成し、今まで以上に資本コストや株価を意識した経営の実践を加速させていくことです。そのためにも、新宿駅西口地区開発計画をはじめとする不動産投資や、観光収益の拡大に向けたロマンスカーの新造、ホテルの新規出店など、成長領域に積極的に投資する計画です。また、財務レバレッジ拡大などバランスシートを適正にコントロールすることで、ROEを向上させてまいります。

さらに、小田急グループがさらなる成長を目指すために欠かすことのできないのが「人財」です。私のもう1つの大切な役割は、従業員に小田急グループに入って良かった、幸せだと思ってもらえるよう、経営者としての責任を果たしていくことだと考えています。これまでの人事担当役員であった経験を活かし、人的資本に対する取り組みもさらに推進させていきます。

更なる発展に向けて

飛躍期中の2027年には、1927年4月の小田急線(新宿~小田原間)開業から100周年を迎えます。そして、2029年度には、新宿駅西口地区開発計画の竣工を予定しています。新宿は、世界一の乗降人員を誇り、日本一の商業集積地であるとともに、歌舞伎町に代表される歓楽街や公園等のさまざまな顔を持った街です。本計画は、新宿エリアの象徴となる駅直上のプロジェクトであり、小田急グループの既存事業を含めたエリア全体の価値向上につながる当社最大のプロジェクトです。さらに、新宿を「観光ハブ」とし、箱根・湘南に代表する当社沿線へのロマンスカー等による移動需要も同時に高めていくことで、小田急グループ全体の収益最大化を実現してまいります。

新宿駅西口地区開発計画における
イメージパース

これまで、お客さまの「かけがえのない時間(とき)」と「ゆたかなくらし」を実現するため、生活に密着した積極的な沿線開発や箱根、江の島をはじめとした非日常を演出する沿線観光地の魅力向上等に取り組み、現在では1日あたり輸送人員約200万人、年間約7億人の皆さまにご利用いただける企業へと成長しました。

これからも地域経済圏のまちづくりを支え、地域とともに成長する企業であり続けるためには、「業績にこだわる会社」であることも大切です。この飛躍期において、小田急グループは経営ビジョン「UPDATE 小田急」の実現に向け、成長領域に積極的に投資し、投資に対するリターンをしっかりと得ることで、地域や株主の皆さまへ還元しながら企業としての成長を果たしてまいります。そして、ステークホルダーの皆さまから信頼され、長く応援していただける企業を目指してまいります。