小田急電鉄株式会社 取締役社長 鈴木 滋

 小田急グループでは、『お客さまの「かけがえのない時間(とき)」と「ゆたかなくらし」の実現に貢献する』というグループ経営理念の下、約70社から成るグループ会社が、東京・神奈川を主な事業エリアとして、交通、不動産、デジタル、生活サービスなどさまざまな事業を展開しています。

 この経営理念には、事業環境が変化する中で、「小田急」が存在していることの意義は何かということ、また、「沿線地域とともに繁栄する」という小田急創業時の理念が込められております。厳しい競争の中で、お客さまに小田急を選んでいだだくためには、お客さまの「暮らしやすさ」を徹底的に追求し、期待に応えていくことがグループ価値の最大化に繋がると確信しております。そして、その過程においては、すべてのステークホルダーに誠実に向き合う姿勢を貫くことが、重要であると考えております。

 2021年には、変化する事業環境に適合し経営理念の実現とさらなる事業成長を遂げるため、経営ビジョン「UPDATE 小田急~地域価値創造型企業にむけて~」を策定しました。

 この経営ビジョンのもと、当社は開業100周年、さらには次の100年にむけて、地域価値創造型企業へと事業モデルの更新を図ります。小田急沿線や事業を展開する地域とともに成長するため、既成概念に捉われず常に挑戦を続けることでお客さまの体験や環境負荷の低減など地域に新しい価値を創造していきます。

 具体的には、サステナビリティ経営を土台に据えて、恵まれた沿線のポテンシャルと長年蓄積してきた小田急の強みを活かしながら事業を展開していきます。そして、郊外⇔都心の輸送を中心とした沿線発想から、中核都市を中心に地域全体まで対象を広げた“地域経済圏”発想でまちづくりを推進するとともに、事業ポートフォリオの最適化として、不動産領域の強化やデジタルを活用した新規事業の探索・成長等を進めます。これらを推進することで地域価値創造型企業へ進化していきたいと考えています。

 今後も小田急グループは、グループ会社がそれぞれの役割を確実に実行するとともに、グループの協働を通じて、皆さまから信頼され社会と共に発展する企業を目指し取り組んでまいります。引き続きご愛顧を賜りますよう、よろしくお願い申しあげます。

2024年4月

小田急電鉄株式会社 取締役社長 鈴木 滋