運転保安

運輸司令所

運輸司令所
運輸司令所

相模大野にある運輸司令所では、OTCを活用し、全線全列車の運行を24時間体制で管理しています。

OTC(小田急型列車運行管理システム)

OTCは、駅の信号機やポイントなどをコンピューターで自動制御するシステムです。1990年に全線への設置が完了しています。

早期地震警報システム

早期地震警報システム

地震発生時の被害を軽減するため、2006年度から、早期地震警報システムを導入しています。

これは、一定規模以上の地震が発生した際に、気象庁から配信される緊急地震速報を利用して、主要動が到達する前に、最大予想震度など当社線への影響を瞬時に判定し、被害が予測される場合には全列車に自動的に緊急停止信号を通報することにより、運転士が直ちに列車を停止させるものです。

地震・気象情報監視システム

全線各地に設置された各種計測機器により、雨量、風速、地震(ガル値)、河川水位、レール温度などのさまざまな観測値を24時間体制でリアルタイムに収集し、一括監視が可能な「地震・気象情報監視システム」を導入しています。

それぞれの観測値が規制値に達した場合は、同監視システムに警報が鳴動・表示され、運転規制などの対応を即時に実施しています。

ATS(自動列車停止装置)

ATSは、列車が制限速度を超えて信号機や急曲線、分岐などを通過しようとした際に、自動的にブレーキを作動させて減速または停止させる装置です。

当社では2015年度よりD-ATS-Pを全線で導入しています。この装置は、従来のATSと比較して、レールからの信号現示情報や、地上子による距離情報などの多くの情報の授受ができるため、細かな速度制限が可能であり安全性が向上するとともに、情報をリアルタイムに列車へ伝達することができるため、信号が上位に変化した時に速度アップするまでの間隔が短くなり運転効率も向上します。

D-ATS-P:Digital Automatic Train Stop Patternの略

信号現示に対する速度制御イメージ

信号現示に対する速度制御イメージ

脱線防止ガード

曲線半径400m未満のすべての曲線とすべての側線用分岐器および曲線半径150m未満の曲線を有する分岐器に脱線防止ガードを設置し、列車の走行安全性を確保しています。

運転状況記録装置

事故が発生したときなどに情報を活用できるよう、列車の速度やブレーキなどの運転状況を記録する装置をすべての車両に設置しています。

防護無線

列車運行中に事故などの異常が発生した際、付近を走行する列車にもその情報を瞬時に伝えて緊急停止させる「防護無線」をすべての列車に導入しています。

緊急ブレーキ装置

運転士に、体調の急変など不測の事態が発生した際にも安全を確保することができるよう、運転士が1分以上、加速やブレーキなどの操作を行わない場合には、非常ブレーキがかかるEB装置(運転士異常時列車停止装置)を導入しています。

閉扉時の安全対策

通勤車両は、閉扉時に物などが挟まることにより「11mm以上」の隙間が生じた場合、列車を運行することができないシステムになっています※。また、閉扉時に一時的に扉の圧力を弱める機能を順次設置し、扉に挟まれた際の事故防止を図っています。

通勤車両4000形(16編成160両)を除く

ホーム上における安全性向上の取り組み

ホームドア

お客さまのホームからの転落や列車との接触を防止するホームドアを、2012年9月に新宿駅急行ホーム(4・5番ホーム)に設置しています。また、他駅への導入に向けた検討を進め、2020年度を目標として代々木八幡駅から梅ヶ丘駅の6駅、さらに2022年度までに1日の利用者数10万人以上の駅※へ優先してホームドアの設置を進めていきます。

新宿、登戸、新百合ヶ丘、町田、相模大野、海老名、本厚木、大和
藤沢駅については、大規模改良工事に併せて整備を計画するため時期は未定
[参考] 当社1日の利用者数10万人以上の駅(2017年度実績 11駅)
新宿、代々木上原、下北沢、登戸、新百合ヶ丘、町田、相模大野、海老名、本厚木、大和、藤沢

ホーム固定柵

「駅ホームにおける安全性向上のための検討会(中間とりまとめ)」の整備方針に基づき、2017年度、新宿、小田原、藤沢、片瀬江ノ島、唐木田の5駅に、線路終端部側の列車の止まらない箇所へホーム固定柵を設置しました。

ホーム先端部の塗装や表示

線路への転落や、ホームと列車との隙間への転落を防止するため、一部の駅・ホームにおいてホーム先端部をオレンジ色に塗装しています。

また、ホームの幅が狭くなっている部分には注意表示を設置し、お客さまへの注意喚起を行っています。今後も、対象駅・ホームを順次増やしていきます。

ホーム先端部塗装
ホーム先端部塗装
ホーム上の注意喚起表示
ホーム上の注意喚起表示

ホーム注意喚起システム

ホーム注意喚起システム
ホーム注意喚起システム

お客さまと列車との接触ならびにホーム上での安全確保の観点から、点字ブロック(黄色い線)より線路側にいらっしゃるお客さまをセンサーで検知し、注意喚起放送を行うシステムを一部の駅・ホームに設置しています。

このシステムは、列車がホームへ進入および発車する時または、列車が停車していない時などに注意喚起放送を行い、お客さまの安全確保に努めています。

車両連結部への外幌の設置

乗車時の転落を防ぐため、全編成の連結部分に外幌を設置しています。

先頭車同士の連結部分については外幌の設置はありませんが、3000形の一部およびMSE(60000形)で自動放送による注意喚起を行っています。

お客さま転落時の安全対策

待避スペース
待避スペース

万一、線路に転落した際に、速やかにホームに戻るためのステップを全駅に設置しているほか、一時的に避難することのできる待避スペースを設けています。

非常停止ボタン

非常停止ボタン
非常停止ボタン

お客さまが線路に転落した場合など、当該駅に接近している列車を緊急停止させる「非常停止ボタン」を全駅に備え付けています。

転落検出マット

曲線ホームには、乗降時、お客さまが転落した場合に列車を緊急停止させるため「転落検出マット」を設置しています。

踏切

現在、全線に計229カ所(小田原線148カ所、江ノ島線81カ所)ある踏切に対して、さまざまな安全対策を講じています。

立体化等による踏切の廃止

踏切を廃止し整備された向ヶ丘遊園駅連絡通路
踏切を廃止し整備された向ヶ丘遊園駅連絡通路

踏切における安全対策として、最も効果的なものは、線路と道路との立体交差化による踏切の廃止です。2014年度には、川崎市による向ヶ丘遊園駅付近の連絡通路整備に伴い、1カ所の踏切を廃止。1955年以降、現在に至るまで、計247カ所の踏切を廃止してきました。今後も、自治体などと協議しながら、立体化や統廃合による踏切の廃止を進めます。

連続立体交差事業

地下化に伴い廃止となった東北沢6号踏切
地下化に伴い廃止となった東北沢6号踏切

東北沢〜和泉多摩川間の複々線化事業は、東京都の都市計画事業である「連続立体交差事業」と一体的に進めています。2013年3月には、東北沢~世田谷代田間において、地下化による立体化が完了し、事業区間にあった39カ所の踏切が全て廃止となりました。

種類別踏切数の推移

種類別踏切数の推移

凡例:
〈1種甲〉自動踏切遮断機を設置し、全列車に対し、道路を遮断する踏切(現在は当社のすべての踏切が該当)
〈1種乙〉交通掛を配置し、初電から終電までの列車に対し、道路を遮断する踏切(1998年に全廃)
〈2種〉一定時間に限って交通掛を配置し、列車または車両が踏切道を通過する前に、門扉を閉じて道路を遮断する踏切(1961年に全廃)
〈3種〉自動踏切警報機のある踏切(1982年に全廃)
〈4種〉踏切道を示す警標のみ設置してある踏切(1973年に全廃)

踏切支障報知装置

踏切支障報知装置
踏切支障報知装置

踏切内で車がエンストするなどした際、非常ボタンを押すことにより、特殊信号発光機が、接近する列車に異常を知らせて緊急停止させる「踏切支障報知装置」を全踏切229カ所に設置しています。

踏切障害物検知装置

踏切障害物検知装置
踏切障害物検知装置

踏切内の障害物を検知する「踏切障害物検知装置」を136カ所の踏切に設置しています。障害物を検知した場合には、自動的に「踏切支障報知装置」を作動させ、付近の列車を緊急停止させます。

また、2016年度より検知能力の高い新たな踏切障害物検知装置の導入を進めています。

踏切の視認性向上

大口径遮断桿
大口径遮断桿
オーバーハング型踏切警報機
オーバーハング型踏切警報機

ドライバーが、遠くからでも踏切を認識できるよう、道路上に警報機をかぶせた「オーバーハング型踏切警報機」を19踏切に設置しているほか、遮断桿の太さを通常の約2倍にした「大口径遮断桿」を7カ所の踏切で採用しています。

踏切集中監視システム

踏切集中監視システム
踏切集中監視システム

踏切保安装置の故障による事故を未然に防止するほか、踏切事故発生時により迅速な対応を行うため、電気司令所などで、すべての踏切の状態をリアルタイムに監視できる「踏切集中監視システム」の導入を2008年度に完了しました。

電力

電気司令所

運輸司令所に隣接する電気司令所では、変電所の運転状態や全線への送電状況を24時間体制で監視し、電力の安定供給に努めています。

変電所

全線に29カ所ある変電所では、列車運転用電力(直流1,500V)と駅施設や信号設備などに用いられる、付帯用電力(6,600V)の供給を行っています。

運転用電力については、車両更新や変電所の効率運転などを進め、削減に努めています。また、付帯用電力については、エレベーターをはじめバリアフリー設備や行先案内表示装置の新設などに伴い設備は増加していますが、電力量が増加しないよう省電力機器の導入を推進しています。なお2017年度の総電力消費量は3億7,469万kWh、1日当たり102万kWhとなっています。

1日あたりの電力消費量推移(当社線内)、変電所の概要

保守

車両

1,000両以上ある車両の検査を確実かつ効率的に行うため、一定の周期ごとに検査項目を定め、相模大野にある総合車両所と、喜多見・海老名にある検車区で、計画的な保守点検を実施しています。

総合車両所

総合車両所

総合車両所

機器類を細部まで分解して検査しているほか、部品の修理や各種性能試験などを実施しています。

検車区

台車や制御装置など、主要機器の検査を行っています。

検査の種類と概要
総合車両所 全般検査 内容:ほぼすべての部品を分解して実施する最も厳重な検査
周期:8年以内に1回
重要部検査 内容:主要機器を分解して検査
周期:4年または走行距離60万km以内に1回
※3000形、4000形は検車区施工
列車検査 内容:主要機器の検査
周期:10日以内に1回
検車区 月検査 内容:主要機器の検査、動作確認
周期:3ヶ月以内に1回
列車検査 内容:主要機器の検査
周期:10日以内に1回

軌道・架線

大型保守作業車

終電から初電までの短い時間に行われる保守作業の効率化を図るとともに、精度を一層高めるため、高性能の大型保守作業車を積極的に導入しています。

マルチプルタイタンパー

砕石のつき固めを行い、線路のゆがみを直す保線機械。1台保有。

マルチプルタイタンパー

バラストスイーパー

マルチプルタイタンパーの作業後、砕石を整備する保線機械。1台保有。

バラストスイーパー

レール削正車

列車の走行によって生じた、レール表面の傷や凹凸をグラインダーで削り、形状を整える保線機械。1編成保有。

レール削正車

レール探傷車

超音波を使用して、レールの表面だけでなく、外観からでは分からない内部の傷も検査する保線機械。1台保有。

レール探傷車

総合検測車「テクノインスペクター」

レールのゆがみや架線の摩耗状況を日中に走行しながら調べることのできる総合検測車。1両保有。

総合検測車「テクノインスペクター」

レール溶接車

レールをフラッシュバット溶接により溶接する保線機械。1台保有。

レール溶接車

その他の主な保守作業車
名称 用途 保有台数
軌道モーターカー ダンプトロリー、レール運搬車のけん引 12
ダンプトロリー 砕石などの運搬 12(2編成)
レール運搬車 レール交換時の運搬 6(3編成)
タワー車 高所での架線の保守・点検作業 6
延線巻取車 架線張り替え時の延線・巻き取り 1
軌道モーターカー

軌道モーターカー

ダンプトロリー
ダンプトロリー
レール運搬車
レール運搬車

省力化軌道

複々線化などの大規模改良工事にあわせて、高架橋区間などに弾性材を挟んだ「弾性マクラギ砕石軌道」やレールと同一方向の縦マクラギでレールを支える「フローティングラダー軌道」を導入するとともに、近年では都市近郊区間の有道床部に縦マクラギを敷設する「バラストラダー軌道」の導入を進めています。これにより、保守作業の軽減が図られています。

フローティングラダー軌道
フローティングラダー軌道

分岐器の改良

分岐部の保守省力化、騒音振動の低減のため、トングレールとリードレールを一体化した「弾性分岐器」の敷設を推進しています。

その他の取り組み

異常時を想定した合同訓練

異常時総合訓練
異常時総合訓練

年に1度、踏切事故による列車脱線などの重大事故を想定した「異常時総合訓練」を実施しています。この訓練は、乗務員、駅係員、車両、工務、電気関係の係員など列車運行に関わる全部署および警察・消防機関を含め総勢約400名が参加するもので、重大事故が発生した場合の人命の救助および早期復旧を目的に行われています。

このほか、大規模な地震災害などを想定した「総合防災訓練」や、列車内や鉄道施設でのテロ行為を想定した「鉄道テロ対応訓練」など各種訓練を実施し、関係部門の連携強化と技能の向上・伝承に努めることで、事故や災害など不測の事態に備えています。

安全シンポジウム・輸送の安全講演会

安全シンポジウム
安全シンポジウム

「安全管理規程」を制定した10月1日を「鉄道安全の日」と定め、毎年この時期に全社一体となって安全に対する組織風土の醸成と安全意識の高揚を図ることを目的として、「安全シンポジウム」「輸送の安全講演会」を開催しています。当社のほか小田急グループの鉄道、バスなど交通に携わる社員が参加して安全への意識を高めています。

啓発活動

ステーショナリーグッズ
ステーショナリーグッズ
非常ボタン模擬装置の操作体験
非常ボタン模擬装置の操作体験

毎年、春・秋の全国交通安全運動に合わせて、沿線の小学生を対象に踏切横断時の注意事項などを記載したステーショナリーグッズを配布しています。

また、置き石や投石といった列車運転妨害行為が引き起こす影響の重大性を伝え、こうした行為の未然防止を図るため、小学校のPTAなどを通して保護者の方々への周知も進めています。

さらに、事故防止のために、駅ホームや踏切の非常ボタンなどの正しい取り扱い方法の認知度向上にも取り組んでいます。

鉄道の安全に関するデータ

鉄道運転事故などの件数の推移

鉄道運転事故などの件数の推移

  • 国土交通省令「鉄道事故等報告規則」に基づく発生件数
  • 鉄道運転事故:列車衝突事故、列車脱線事故、列車火災事故、踏切障害事故、道路障害事故、鉄道人身障害事故、鉄道物損事故
  • 輸送障害:鉄道による輸送に障害を生じた事態で、鉄道運転事故以外のもの(列車に運休または30分以上の遅延が生じたもの)
  • インシデント:鉄道運転事故が発生する恐れがあると認められる事態のこと

安全投資額

安全投資額

関連情報

お客さまに「安全」と「安心」を。
安全に関する鉄道事業の取り組みをご報告いたします。