食の安全(顧客への責任)
食の安全等に関する基本的な考え方
当社グループでは、「かげがえのない時間(とき)」と「ゆたかなくらし」の実現に貢献するというグループ経営理念のもと、6つのマテリアリティ(重要テーマ)を選定し、サステナビリティ経営を推進しています。マテリアリティの1つである「安全・安心」は、鉄道サービスのみならず、ストア・小売業やレストラン飲食業等の食品およびその提供に関するサービスにおいても重要なテーマです。当社グループは、お客さまの日々のくらし・生活において食の安全をはじめとする、さまざまな安全を脅かすリスクの低減に取り組み、安心してお過ごしいただけるよう事業を推進してまいります。
食の安全等に取り組む主なグループ会社 | |
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流通 (商業施設運営含む) |
小田急百貨店 小田急商事 小田急SCディベロップメント |
食品製造 | 小田急食品 |
レストラン飲食 | 小田急レストランシステム ジローレストランシステム |
ホテル | 小田急リゾーツ ホテル小田急サザンタワー |
フランチャイズ店舗・業態については、フランチャイズ本部の管理の元、対応します。
品質管理、衛生管理
当社グループでは、食の安全・安心を最優先し、原材料や加工対応および販売商品に関する安全管理の徹底を推進しています。食品安全に関する現場での対応や従業員教育、食品関連法令などの法令を遵守し、食品による危害の発生を防止し、安全・安心な食料・加工食品・生鮮食品の提供に努めます。
1.食品製造・提供に関する安全性担保
- ・製造する商品の安全管理の観点から、製品や工場内環境の菌数測定を定期的に実施、外部検査機関等によるダブルチェックも行っています。
- ・注意が必要なアレルギー物質は、原料保管、備品、設備の管理を徹底し、安全・安心な商品提供に努めています。
2.品質の管理体制
- ・製造する製品の品質管理については、専門の部署を作り専任の従業員を配属しています。他部署から独立した組織にすることで、厳正かつ公平な目での品質管理を徹底しています。
- ・製造工場や販売店舗、飲食店舗においては、現場管理者や安全衛生に関する部署・担当による衛生管理(チェックや監査等)を定期的に実施しています。また、外部検査機関による衛生検査や監査の実施なども定期的に行っています。
【具体的な取り組み】
国際基準での衛生管理
小田急食品(株)では、AIB国際検査統合基準(※)に準拠した衛生管理の基準整備や環境づくりに力を入れています。工場全体と管理に関わるすべての書類を対象とした、外部検査機関による「AIBフードセーフティ監査」を定期的に受け、常に管理方法をブラッシュアップしながら安全・安心な製品づくりに取り組んでいます。
AIB(American Institute of Baking:米国製パン基準研究所)国際検査統合基準
米国の製パン・製粉技術者の育成機関である米国製パン研究所が設定した衛生管理基準。
これに則った教育指導・監査システムは「AIBフードセーフティ監査」と呼ぶ。
専門部署による衛生管理体制
小田急食品(株)は、製品の安全・安心を管理する専門部署を設置し、製品や工場内環境の菌数測定を定期的に実施するとともに、外部検査機関にも依頼するダブルチェックを行っています。また、注意が必要なアレルギー物質は、原料保管、備品、設備を区分化や専用化するなどの管理を徹底し、安全・安心な製品提供に努めています。
JFS-B規格の認証取得
小田急食品(株)では、2024年3月に「JFS-B規格」の認証を取得し、GMP(安全な食品を作るための一般衛生管理)、HACCP(危険要因を分析して制御するリスク管理)、FSMS(食品を作る人、プロセス、組織全体を管理)の3つの観点から、徹底した衛生・品質管理により商品の製造を行っています。

サプライヤー(取引先)の管理、テナント(入居法人)の管理
当社グループでは、サプライヤー(取引先)やテナント(入居法人)の選定については、入居前の業務内容・リスク調査等を行ったうえで取引の可否、入居の可否を判断しています。
また、取引開始後や入居後に食品管理に関する不誠実な対応、従業員教育の不徹底が発覚した場合には適宜指導改善を求めてまいります。
食品に関する取り組み
1.加工食品
当社グループでは、表示に関する法令および社内規定・基準・マニュアルを遵守することはもちろん、栄養成分・添加物・アレルギー等、お客さまの安全や健康に関わる表示事項について適正で分かりやすい表示を行っています。また、環境に配慮した安全・安心な加工食品や、健康面に留意した加工商品の販売にも努めています。
【具体的な取り組み】
・「エコフィード給飼による豚肉」の販売
小田急商事(株)では、食品循環資源を活用した飼料(売れ残りの食品、製造工程でのロス食品(麺類・菓子等)を殺菌、発酵処理を行ったリキッド発酵飼料)により育てられた
「エコフィード給飼による豚肉」を販売しています。
リキッド発酵飼料は栄養バランスや消化が良く、与えられた豚は健康的に育つことから、「エコフィード給飼による豚肉」は安全性が高い豚肉です。
2.アルコール
当社グループでは、アルコール類の販売・提供に関して20歳未満者へのアルコール類の販売・提供防止を徹底しています。 20歳未満の飲酒は、身体(性機能・脳・肝臓等)の成長を妨げる、飲酒開始年齢が若いほどアルコール依存症に陥るリスクがあり健康に関して悪影響を及ぼします。
責任ある事業者として、飲酒によってこれらの負の影響が及ぼされうることを認識したうえで、アルコールに関する注意喚起、ノンアルコール飲料・低アルコール飲料の販売促進、従業員に対する教育を行っています。
20歳未満への販売防止・提供防止
当社グループでは、20歳未満への酒類販売を防止するため、お客さまの年齢確認を適切に実施するなど、法令遵守に取り組んでいます。
ノンアルコール、低アルコール飲料の販売・提供
当社グループでは、ノンアルコール飲料・低アルコール飲料の販売に関して、わかりやすい見せ方や販売ゾーンを設け、お客さまの視認性を高め販売促進を行っています。また当社グループの各飲食業(ホテル飲食・レストラン等)では、ノンアルコール飲料を準備することで、飲酒をしないお客さまにおいても、お食事をお楽しみいただけるよう取り組んでいます。
飲酒運転の根絶
当社グループでは、アルコール提供時のドライバー確認が重要と捉えており、特にロードサイド店での飲酒運転の防止に努めています。
3.健康増進とアレルギーへの対応
当社グループでは、食品の販売や提供に際して、食品に関するアレルギー成分や食品添加物に関する情報の提供および表示に真摯に取り組み、健康被害の発生抑止に努めています。また、昨今、生活習慣病の防止などの健康志向が高まっているため、栄養価の高い食品の製造・販売を行っています。
【具体的な取り組み】
・生産者の顔が見える食品の取り扱い
小田急商事(株)の運営するスーパーマーケット「Odakyu OX」では、顧客の健康や食品への安心感醸成のため、生産地・生産者の顔が見える商品や、生産者指定の有機野菜・減農薬野菜等の安全性の高い商品を提供することで、お客さまに安心してお買い物いただけるように心がけています。

従業員への教育
当社グループでは、食に関する安全の基本的な考え方をはじめ、食品に関する法令や安全管理の重要性について、本部現場問わず従業員への教育を徹底しています。また、従業員を雇用する際の導入教育や勤務従事後の定期的な研修により、食品取扱に関する安全性担保のための体制を整えています。
安全衛生に対する教育
- ・従業員の安全意識を高めるため、食の安全や衛生に関する担当や委員会等による設備管理状況や清掃状況のチェックを適宜実施しています。
- ・従業員に向けた教育として、品質管理の担当者や外部講師等による研修を適宜実施し、事例や気づいたリスクの共有や安全知識の向上と意識の醸成に努めています。
【具体的な取り組み】
(株)小田急リゾーツでは、全従業員対象の階層別食品衛生講習会(初心者・中堅・管理職)による衛生教育および感染症対策講習を実施しています。
小田急食品(株)では、従業員の意識を高めるため、月1回の安全・衛生委員会やHACCP会議など部門横断型のプロジェクトを立ち上げ、食の安全に関する情報共有を図ることで衛生管理レベルの向上に努めています。
安全・衛生委員会では定期的に社内巡回を行い設備管理状況や清掃状況をチェックしています。また、年4回全従業員が参加必須の全体研修を実施しており、食品管理に関する基本ルールの徹底および確認や、トラブルに発展するような事例や気づいたリスクを共有し知識や意識の醸成に努めています。
小田急商事(株)では、店舗従業員への教育として、食品安全に関する動画教材を作成しています。導入編から各売場での業務まで各種作成し、新規採用時のほか、フォローアップ教育にも使用しています。また、毎週の食品安全に関する情報提供、毎月の啓発ポスター、スローガンの掲示などにより、常に一定レベルの知識の植え付けや意識の醸成を図ることができるよう努めています。
また、店舗管理者(店長等)に対しては、食品に関する法令、商品の管理体制やチェック体制、食品事故発生時の対応についてのマニュアルを作成し教育を実施しています。これらの理解、実践により食品事故防止を図っているほか、発生時には迅速かつ真摯に対応し、被害拡大防止に努めています。
責任あるマーケティング
当社グループでは、食に関する商品・サービスの表示・広告において、景品表示法や食品表示法等の食に関する関係法令を遵守し、誤解・誤認を招かない表現・表示に努めています。特にアルコールや加工食品等について健康への影響に関する配慮を行い、お客さまに分かりやすく伝えることで食の安全・安心に関する責任を果たします。また、アレルギー関連表示についても、お客さまへ正確に情報をお届けしてまいります。