安全マネジメント体制の推進

2013年度は、各交通事業者からのニーズを踏まえ、「交通モード別での分科会」「交通モード別による合同講演会」などを行いました。これらの活動を通じて、小田急グループ交通事業者全体の安全マネジメント体制強化の推進をさらに推し進めていきます。

「グループ各社と連携した踏切事故防止啓発活動」について

2013年9月、大規模地震の発生を想定した「総合防災訓練」を実施しました。これは、同年4月に改正した鉄道防災計画【地震災害編】の改正点の検証と周知徹底を図ることを目的に企画したものです。

当日は、本社に「鉄道対策検討チーム」を、海老名総合事務所会議室に「鉄道現地対策チーム」を設置して、情報の収集、復旧計画の策定、関係部署への指示など、情報開示型の訓練を実施し、大規模地震発生後の取り扱いの手順や情報伝達経路の検証および確認を行いました。

「地震に対する備え」について

50年以上にわたり毎年実施している「異常時総合訓練」を、2013年10月に海老名電車基地で警察・消防と合同で実施しました。

今回の訓練では、「踏切で電車と乗用車が接触し脱線」という事故を想定し、併発事故を防止し早期復旧をさせるため、各部門間の連携やお客さまの避難誘導、負傷者への対応などを確認し合いました。

また、訓練終了後には、他職場の業務を知るとともに相互理解を図り、異常時に各職場が緊密に連携できるようにすることを目的に、大型保守作業車による保守作業のデモンストレーションを実施しました。

代々木上原駅～梅ヶ丘駅間の在来線地下化に伴い、2013年6月に地下区間の駅間に電車が長時間停止した状態を想定した避難訓練を行いました。

当日は、車形やトンネルの幅を考慮した誘導方法を確認。そして、駅係員と乗務員が連携して、お客さまを安全に車両から地上まで規定の経路に沿って誘導する訓練などを実践しました。

定期的に、社長、安全統括管理者、交通サービス事業本部内の各部長が「職場巡視」を行っています。経営管理者と現業係員がコミュニケーションを図ることで十分な意思相通を行い、安全文化の醸成を常日ごろから図るものです。

2013年10月4日に「第7回輸送の安全講演会」と「安全シンポジウム」を、また、2013年10月9日、10日、11日にも「第7回輸送の安全講演会」を開催しました。

これは、鉄道輸送にかかる従業員の安全意識の継続的高揚を図ることを目的としたもので、「安全シンポジウム」を喜多見地区で開催し、「輸送の安全講演会」をそれまでの1カ所から喜多見地区、大野地区、小田原地区、藤沢地区の4カ所で開催しました。社長以下当社従業員と小田急グループの交通事業者の従業員が出席し、延べ約1,100名が出席しました。

輸送の安全講演会では、「事故の教訓から学ぶ安全への分岐点」「ヒューマンエラー その時何が起きたのか『報・連・相』が人の命を奪う」をテーマに、株式会社JR東日本パーソネルサービスより講師をお招きし、ご講演をいただきました。参加者からは、「問題点を率直に示してくれるなど、刺激を受けた」「現場での体験談は説得力があり、話に引き込まれた」などの声が寄せられました。

安全シンポジウムでは、「私たちの安全に対する取組み」をテーマに、当社の運転車両部4車掌区、電気部大野電気システム管理所、運転車両部運輸司令所が、それぞれの取り組みについて発表しました。参加者からは、「他部門での事故の風化防止や技術の伝承について理解ができたので、自分たちの職場での取り組みを見直していきたい」などの声が寄せられました。

2008年度より、現業係員および職場間相互のコミュニケーションの向上を目的に、「エリアミーティング」を開催しています。これは、当社線を4つに分けたエリア内の各職場から選出された固定メンバーにより複数回ミーティングを行い、各職場の情報交換や相互理解を深める企画を、メンバー自ら立案・実施するなど、活発に行われています。

また、若年者層を対象として「職場見学会」も開催しており、他職場の業務について理解を深める取り組みも実施しています。