「安全報告書2016」の公表にあたり

小田急電鉄株式会社 取締役社長 山木利満

平素より、小田急をご利用いただきまして、誠にありがとうございます。また、「安全報告書2016」をご覧いただき、重ねてお礼申しあげます。

この「安全報告書2016」は、鉄道事業法第19条の4の規定に基づきまして、お客さまを安全に目的地までお運びするための事業運営方針や管理体制、2015年度における具体的な取り組みなどをご報告するものです。

当社では、鉄道事業法第18条の3の規定に基づく「安全管理規程」を2006年10月に制定するとともに、基本理念に日本一安全な鉄道をめざすことを掲げ、安全管理体制の整備や安全性を向上するための設備の維持・改善に努めてまいりました。

さらに、「安全」「安定」「安心」の3つの指標からなる安全努力目標を定め、2015年度から2017年度の安全に関する中期経営計画に「強靭かつ柔軟な『現場力』の構築」「『未然防止』に対する取り組み強化」「災害に強い設備・体制の構築」「安定輸送を実現する取り組みの推進」の4つの安全重点施策を掲げ、取り組んでおります。

列車運行の安全性をさらに高めることを目的に設置を進めていた新型自動列車停止装置(D-ATS-P)は、2015年9月に全線での運用を開始いたしました。また、豪雨や大雪などの異常気象のほか、大規模地震や箱根エリアの火山噴火等の自然災害にも対応できる体制づくりや設備の安全強化も進めています。

お客さまにご迷惑をおかけしました2014年6月19日の相模大野駅構内における車両脱線事故につきましては、二度と発生させないよう、再発防止対策を講じております。今後も、事故の未然防止に対する取り組みを推進し、多くのお客さまに安全・安心をご提供できるよう、より一層の努力をしてまいります。

当社といたしましては、安全の確保に全力で取り組んでいます。ぜひ、本報告書をご一読いただき、当社の「安全への取り組み」についてご理解を深めていただければ幸いです。

2016年9月

お客さまに安全と安心を(安全報告書2016)