「安全報告書2015」の公表にあたり

小田急電鉄株式会社 取締役社長 山木利満

平素より、小田急線をご利用いただきまして、誠にありがとうございます。

まず、2014年6月19日に相模大野駅構内で発生した車両脱線事故につきまして、小田急線をご利用のお客さま、沿線にお住まいの皆さまはもとより、多くの方に多大なご迷惑、ご心配をお掛けしましたことを深くお詫び申しあげます。車両脱線事故の原因および再発事故防止について、同年12月、国土交通省に報告を行うとともに、すでに必要な対策を講じております。本事故を教訓に、今まで以上に事故の未然防止に取り組み、お客さまの期待に応え信頼される小田急を実現するために、全社一丸となって、「日本一安全な鉄道」を目指し、確実な業務の遂行に努めてまいります。

ここに公表させていただきます「安全報告書2015」は、鉄道事業法第19条の4の規定に基づきまして、お客さまを安全に目的地までお運びするための事業運営方針や管理体制、2014年度における具体的な取り組みなどをご報告するものです。

当社では、鉄道事業法第18条の3の規定に基づく「安全管理規程」を2006年10月に制定するとともに、「小田急電鉄は、日本一安全な鉄道をめざします。」を基本理念に掲げ、安全性向上のための設備の維持・改善のみならず、安全管理体制の整備に努めてまいりました。

さらに、2010年度からは、「安全」「安定」「安心」の3つの指標からなる安全努力目標と、「安全マネジメント体制の推進」「安全のスキルアップ」「安全施設の強化」「お客さまとの安全協働の推進」の4つの安全重点施策を掲げた、安全に関する中期経営計画を策定しております。なお、安全重点施策については、本年度見直しを図り、新たに「強靭かつ柔軟な『現場力』の構築」「『未然防止』に対する取り組み強化」「災害に強い設備・体制の構築」「安定輸送を実現する取り組みの推進」の4つを掲げ、安全性の着実なレベルアップを図るべく取り組んでおります。

近年、時雨量100㎜を超える豪雨や数十年に一度といわれる大雪などが発生しており、これらの異常気象にも適切に対応できるよう設備の強化のほか、規則の改定も行いました。今後も、事故の未然防止の取り組みを推進し、多くのお客さまに安全・安心をご提供できるようさらなる努力をしてまいります。

しかしながら、安全の確保には皆さまのご協力が不可欠です。ぜひ、本報告書をご一読いただき、当社の「安全への取り組み」についてご理解を深めていただくとともに、率直なご意見、ご助言などを賜りますようお願い申しあげます。

2015年9月

お客さまに安全と安心を(安全報告書2015)