2009年度は、2008年度の取り組みを継続することを基本として、新しく次の取り組みを実施する予定です。

2008年度も鉄道内部監査を実施し、さらに安全に対する取り組みを強化しています。

2008年度も鉄道内部監査を実施しました。2007年度の鉄道内部監査の結果を踏まえて取り組んだ「安全マネジメントに係る全社的な推進体制の整備」「安全に係る中期経営計画の策定」については、おおむね順調に進捗しているとの評価でしたが、「『事故・事故の芽』情報の収集・分析・対策」「安全文化の醸成」については、引き続き課題とされ、新たな課題として挙がった「安全教育体系の確立」とともに2009年度において取り組みを強化していきます。

「2007年度の鉄道内部監査の結果を踏まえた取り組み」について

安全教育体系の確立に力を入れています。

人事部により、全社的な教育計画に基づいた人材の育成、養成が行われていますが、安全教育に限って見れば、部門間でのレベルの違いや定期的な安全意識の高揚策不足など課題も存在しています。安全意識を高め、維持、継承していくには、過去の鉄道事故や輸送障害を憂い、その悲惨さや心の痛みを忘れることなく伝えていくことも重要であるとの認識から、鉄道マンとしての心の形成も踏まえた安全教育体系の整備を進めています。

「事故・事故の芽」情報を効果的に活用していきます。

収集した「事故・事故の芽」情報が部門内で完結する傾向が、2008年度の取り組みにおいて改善されつつあり、2009年度においては、社内ネットワーク「安全コミュニケーションシステム」によって、より効率的な情報共有が可能となる環境整備を進めています。今後は、安全コミュニケーションシステムを活用し、「事故・事故の芽」情報の分析を進め、安全対策の計画・実施に生かしていきます。

安全文化を育んでいます。

2008年度の取り組みにおいて、鉄道係員一人ひとりの安全意識は確実に高まりを見せています。2009年度においては、ヒューマンエラーの可能性を減らすために、全社的な「組織としての安全文化」を醸成していきます。そのために、ヒューマンエラーを誘発した要因を分析し、事故・トラブルそれ自体だけでなく、通常の業務内容も考慮の上、エラー防止対策として働きやすい職場づくりを推進。安全は自分たちの手でつくるというモチベーションを、鉄道係員全員が持てるような組織を目指します。

COLUMN 安全をテーマにした社内情報誌

組織としての安全文化の醸成に向け、また、定期的な安全意識の高揚策として、安全に関する最新情報や安全に対する各部の取り組み、過去の事故・トラブル事例などを紹介する隔月刊の社内情報誌を2009年度より発行しています。

駅ホームや踏切での安全対策に取り組みます。

フットマークを統一します。

フットマーク

乗車位置を示す、床面の案内掲示がフットマークです。これまでは、駅によって警告ブロック(黄色い線)の内側や外側など設置位置が混在しており、また、デザインについても白の△や黄色の△、白の○など種類が多様化していました。さらに、号車や優先席の案内が表示されていないので、お客さまに対して不親切とも言えます。

そこで、安全性も考慮し、お客さまに警告ブロックの内側に整列していただくための新しいフットマークを設置します。また、バリアフリー整備基準に基づき、全駅に乗車位置のフットマークを設置します。ただし、降車専用ホームや階段とホーム幅が狭いなどの理由で、整列乗車を避ける場所については除きます。

「バリアフリー」について

全方向閃光灯の導入を進めます。

全方向閃光灯 2008年度導入実績 全方向閃光灯 2009年度導入予定

1.南新宿3号踏切

2.読売ランド前4号踏切

3.愛甲石田1号踏切

4.江ノ島線 相模大野2号踏切

5.鶴間4号踏切

1.座間8号踏切

2.新松田7号踏切

3.富水7号踏切

4.鶴間1号踏切

引き続き防災対策に取り組みます。

地震や異常気象に、より迅速・正確に対応できる体制づくりを推進します。

地震計、雨量計、風速計、河川水位計、レール温度計など、沿線にある各種計測器の観測値を、運輸司令所や電車区・工務区・電気システム管理所などでリアルタイムに監視できるシステム「地震・気象情報監視システム」を2009年7月に整備しました。このシステムを有効に活用し、地震や異常気象などに、より迅速・正確に対応できる体制づくりを推進しています。

お客さまに安全と安心を(安全報告書2009)