「安全報告書2014」の公表にあたり

小田急電鉄株式会社 取締役社長 山木利満

平素より、小田急線をご利用いただきまして、誠にありがとうございます。また、「安全報告書2014」をご覧いただき、重ねてお礼申しあげます。

まず、本年6月19日に相模大野駅構内の車庫線内において発生した車両脱線事故につきまして、小田急線をご利用のお客さま、沿線にお住まいの皆さまはもとより、広く多くの方に多大なご迷惑、ご心配をお掛けしましたことを深くお詫び申しあげます。現在は、同様な事故が起きないように対策を講じておりますが、さらに外部機関とも協力し、原因究明に努め、必要な安全対策を実施してまいります。「安全」「安定」「安心」の再徹底を図り、今一度信頼される小田急を実現するために、全社一丸となって、強い責任感をもって確実な業務の遂行に努めます。

ここに公表させていただきます「安全報告書2014」は、鉄道事業法第19条の4の規定に基づきまして、お客さまを安全に目的地までお運びするための事業運営方針や管理体制、2013年度における具体的な取り組みなどをご報告するものです。

当社では、鉄道事業法第18条の3の規定に基づく「安全管理規程」を2006年10月に制定するとともに、「小田急電鉄は、日本一安全な鉄道をめざします。」を基本理念に掲げ、安全性向上のための設備の維持・改善のみならず、安全管理体制の整備に努めてまいりました。

さらに、2010年度からは、「安全」「安定」「安心」の3つの指標からなる安全努力目標と、「安全マネジメント体制の推進」「安全のスキルアップ」「安全施設の強化」「お客さまとの安全協働の推進」の4つの安全重点施策を掲げた、安全に関する中期経営計画を策定し、安全性の着実なレベルアップを図るべく取り組んでおります。

2014年3月には、国土交通省による「運輸安全マネジメント評価」が実施され、安全管理体制の維持、改善に対する取り組みについて、社員が心を一つにし、安全の確保に取り組んでいることが評価されました。

しかしながら、先の車両脱線事故、そして、本年2月の関東地方における記録的な大雪に見舞われた際に生じた運行の乱れなど、一つ一つの事象を真摯に受け止め、改めて安全・安定輸送の実現に邁進する所存でございます。

お客さま、沿線にお住まいの皆さまとの「コミュニケーション」も大切に、社員一人ひとりとともに力を合わせて取り組んでまいりますので、この「安全報告書2014」をご一読いただき、当社の『安全への取り組み』について率直なご意見、ご助言などを賜りますようお願い申しあげます。

2014年9月

お客さまに安全と安心を(安全報告書2014)