取締役会の構成

当社取締役会は、事業規模や業容等と照らし、適正な規模での取締役会構成に努めており、定款において、取締役の人数については20名以内(うち監査等委員である取締役5名以内)と定めています。上記方針に基づき、現在、取締役会は、取締役(監査等委員である取締役を除く。)9名、監査等委員である取締役4名で構成されています。このうち、独立社外取締役(監査等委員である取締役を除く。)3名の経歴は、企業経営者(3名)であり、監査等委員である独立社外取締役3名(うち女性2名)の経歴は、企業経営者(1名)、弁護士(1名)、公認会計士(1名)です。

取締役会の主な議題

取締役会は、中期経営計画をはじめとした重要な戦略、重要な業務執行、およびその他法令で定められた事項について審議・決定を行うほか、業務執行の監督を行っています。
2024年度の主な議題は以下のとおりです。

主な議題 主な決議事項・報告事項(審議、モニタリング、検証)
サステナビリティ・
中期経営計画
  • サステナビリティ経営の推進におけるマテリアリティに関する目標・指標の追加設定等
  • マテリアリティに関する取り組みの推進状況(「小田急グループ カーボンニュートラル2050」の進捗を含む)
  • 次期中期経営計画の策定方針
  • 次期中期経営計画の検討状況
  • 連結ROE目標達成に向けたKPI
個別戦略・課題
(鉄道業・不動産業を除く)
  • 以下の個別戦略等
    「ホテル戦略」「観光・インバウンド事業」「財務・IR上の課題および具体的施策」「DX戦略」「人的資本強化策」
鉄道業関係
  • 鉄道事業の取り組み方針の策定
  • 鉄道事業における設備投資計画
不動産業関係
  • 不動産戦略に基づく取り組みの方向性
  • 不動産領域における中期経営計画と事業強化策の検討状況
  • 海外不動産事業への投資
  • 国内SPC投資
  • 新宿駅西口地区開発計画等の進捗状況
各事業案件のモニタリング
  • 不動産戦略に基づく取り組み
  • 海外事業の実績・進捗状況
コーポレートガバナンス・
コードへの対応
  • 定時株主総会における議決権行使結果
  • 取締役会実効性評価の実施結果
  • 政策保有株式の保有意義
  • 政策保有株式の売却
環境課題への取り組み
  • TNFD提言に基づく情報開示
グループ会社関係
  • グループ会社への融資
  • グループ会社の経営状況
その他
  • 取締役報酬の決定に関する基本方針等の改定
  • 内部通報制度(コンプライアンス・ホットライン)の運用状況

取締役会全体の実効性に係る評価・分析

当社では、毎年、取締役を対象として、取締役会の意思決定機能、監督機能および取締役会の支援体制等に係るアンケート等による自己評価を実施し、この結果に基づき、取締役会において取締役会全体の実効性について分析・評価を行っています。
2024年度の評価においては、当社のこれまでのコーポレート・ガバナンス強化の取組みを踏まえ、取締役会が適切な監督機能の発揮と経営陣による適切なリスクテイクを支える環境整備・支援を行うため、認識すべき課題やその取組み方針を確認することといたしました。評価の実施にあたっては、客観性を担保するため、アンケート設問の作成および結果分析について外部機関の支援を受けつつ、取締役全員を対象としてアンケートを実施いたしました。また、アンケート結果をもとに、取締役全員に対して外部機関によるインタビューを実施し、各取締役の課題認識の精査・掘下げを行いました。そして、外部機関の評価結果について、取締役会に報告いたしました。

実施時期

アンケート:2025年1月
インタビュー: 2025年2月~3月
結果および分析・評価に係る取締役会での報告:2025年5月

評価項目

  1. 取締役会の構成と運営
  2. 経営戦略と事業戦略
  3. 企業倫理とリスク管理
  4. 経営陣の評価と報酬
  5. 株主等との対話
  6. 昨年度課題への対応の効果測定

評価結果

アンケート・インタビューの結果とその分析・評価の結果を踏まえ、当社取締役会は、経営環境の変化を認識し、持続的な企業価値向上に向けた多角的な審議を重ねており、実効的に機能していると評価しております。また、2023年度に課題として認識した「当社グループ事業の重要な方針・戦略に関する議論の内容・協議方法の最適化」および「社外取締役に対する情報提供・知識習得機会の充実化」については、いずれも改善されていると評価いたしました。
また、2024年度における分析・評価において、今後注力すべきと認識した課題は以下のとおりであります。

  • 全社戦略に関する審議の充実化(「企業価値向上に向けて中長期的に達成すべき資本収益性の明確化」、「リスク許容度と期待リターンを明確化したうえでの各事業戦略に関する議論・モニタリング」等)
  • グループガバナンスのさらなる強化、経営陣幹部等の育成 採用の強化に関する議論の充実化

これらの課題に対し、各取締役の意見等を踏まえつつ、別途審議を行ったうえで、改善策を具体化し、取締役会の実効性の更なる向上を図ってまいります。

役員トレーニング

社外取締役への支援

当社では、社外取締役を対象に、当社事業等について随時情報提供を行っているほか、適宜当社施設・沿線を視察する機会を設けるなど、当社事業についての理解を深めるための支援を行うこととしています。
2024年度においては、社外役員を対象に、当社業界に関する勉強会のほか、グループのストア・小売業運営会社(株式会社小田急商事)の店舗視察および同社役員との意見交換会等を実施しました。

社内出身の取締役への支援

社内出身の取締役を対象に、外部講師を招いて内部統制等に関する講演会を毎年開催するほか、業務執行取締役に対しては、担当部門の事業内容について説明・情報提供を行うなど、各取締役に対して諸施策を講じることとしており、これらに要する費用の支援も行っています。

社外取締役の独立性判断基準

独立役員の資格を充たす社外取締役を全て独立役員に指定しております。

独立役員届出書(2024年5月29日提出)

社外取締役の独立性判断基準

以下の事項に該当しない場合、当該社外取締役は独立性を有するものと判断する。

  1. (1) 当社および当社グループ会社(以下、総称して「当社グループ」という。)の業務執行者
  2. (2) 当社の大株主(直接・間接に10%以上の議決権を保有する者)またはその業務執行者
  3. (3) 当社グループの主要な借入先(当社グループの資金調達において必要不可欠であり、代替性のない程度に依存している金融機関その他の大口債権者)の業務執行者
  4. (4) 当社グループの主要な取引先(当社グループの年間連結売上の2%以上の支払いを当社に行っている者)である会社の業務執行者
  5. (5) 当社グループを主要な取引先(当該取引先の年間連結売上の2%以上の支払いを当社から受けている者)とする会社の業務執行者
  6. (6) 当社グループより、役員報酬以外に年間1,000万円を超える報酬を受領している者
  7. (7) 当社グループより、年間1,000万円を超える寄付を受けている団体の業務執行者
  8. (8) 社外役員の相互就任の関係となる他の会社の業務執行者
  9. (9) 上記(1)から(8)までに該当する者が重要な職位にある者の場合において、その者の配偶者または二親等以内の親族
  10. (10) 上記(1)は過去10年間、上記(2)は過去5年間、上記(3)から(9)は過去3年間において該当していた場合を含む

役員の選任

経営陣幹部(執行役員を兼務する取締役)の選任および取締役候補の指名にあたっては、人格識見ともに優秀であることに加え、社内出身者の場合、経営陣幹部・取締役(監査等委員である取締役を除く。)については、複数部門での経験のもと当社業務に精通している者、監査等委員である取締役については、財務、会計および法務等に関する知見、当社事業に関する知識等を有している者を選任・指名しています。また、社外出身者の場合、社内出身者とは異なる職歴や経験、専門的な知識等を有し、経営監督機能を高める役割・機能を果たし得る者を指名しています。加えて、取締役会全体としての知識・経験・能力のバランス、多様性についても考慮しつつ選任・指名を行うこととしています。
また、経営陣幹部の解任にあたっては、選任方針に照らして決定することとしています。