自然資本・生物多様性
自然資本・生物多様性
方針
当社グループは、事業活動における土地開発・土地の改変ならびに資材・食品等の調達、また騒音・振動の発生等が、自然資本や生態系サービスに大きく依存・影響しているとともに、自然減少が引き起こす防災機能低下は土砂災害等のリスクであることから、自然資本・生物多様性の保全は重要課題であると認識しています。
特に、当社グループの事業エリアの中でも、箱根や江の島、大山といったエリアでは、自然の景観から得られる精神的充足や自然下での体験等、豊かな自然の享受により事業が成り立っているといっても過言ではありません。この自然環境を健全に将来世代へ引き継ぐため、当社グループとして自然保全活動の推進、自然資本や生物多様性に配慮した開発や原材料調達、商品・サービスの提供等に取り組むことは、持続可能な自然保全に貢献すると考えています。
このような課題認識のもと、当社グループは様々なステークホルダーとともに自然資本・生物多様性の保全に取り組んでいます。
ガバナンス体制
当社グループでは、自然資本・生物多様性の課題に対し、方針に基づき、自然関連リスク・機会について特定を行う機関としてサステナビリティ担当執行役員が委員長を務める「サステナビリティ推進委員会」を設置しています。また、取締役会および取締役社長は、サステナビリティ推進委員会から報告を受け、自然資本や生物多様性のリスク・機会や進捗状況などを監視し、必要により指示を出すことにしています。 サステナビリティ推進委員会で審議した事項は、当社各部・室および当社グループ全体で共有・連携を図り、取り組みを推進しています。
目標
指標 | 単位 | 対象範囲 | 目標 | 2023年度実績 |
---|---|---|---|---|
廃棄物排出量 (収益原単位) |
t/億円 | 当社グループ(連結) | 前年度比減 | 5.28 |
取水量 (収益原単位) |
千㎥/億円 | 当社グループ(連結) | 前年度比減 | 0.69 |
取組み
箱根(国立公園満喫プロジェクト)

富士箱根伊豆国立公園は環境省により、世界の旅行者が長期滞在したいと憧れる世界水準の旅行目的地を目指す地区に選定されています。優れた自然環境資源、地域の伝統文化を活性化させ、地域とともに有効に活用しています。
大山・丹沢

江戸時代から「大山詣」として親しまれた大山と首都圏の登山者に人気の丹沢。今後も豊かな自然と歴史的伝統文化が息づく大山丹沢地区の貴重な資源のサステナブルな活用を推進しています。
湘南・江の島

首都圏に近い湘南エリアは若者からファミリー層まで幅広い支持を得ており、流行の発信拠点でもあります。今後も持続可能な観光地を目指し自然環境、地域の貴重な資源の活用や活性化に取り組みます。
山中湖

小田急山中湖フォレストコテージは山中湖と富士山が望める湖畔エリアと森林浴が満喫できる森林エリアに分かれ、それぞれアウトドアライフが楽しめます。今後も山中湖エリアの貴重な自然資源を保全し、魅力あるアウトドアライフをサポートします。
「東京の木 多摩産材」の利用

森林が水や大気の浄化、CO2吸収や災害防止などの機能を発揮していくには、伐採、利用、植栽、保育という循環が必要です。明治神宮の最寄り駅・参宮橋駅のリニューアル工事では「多摩産材」をふんだんに使用し、木の温もりを感じられる駅に生まれ変わるとともに、森林資源の有効活用にも寄与しています。
自然アクティビティ拠点の開設

「自然体験」をテーマに新たな箱根の楽しみ方を地域事業者と共創・発信していく拠点「HAKONATURE BASE(ハコネイチャー ベース)を開業。
私たちに豊かさを提供してくれる自然環境、地域の貴重な資源の保全活動を推進しています。
「箱根の森から」による寄付

「箱根の森から(天然水、緑茶)」の売り上げの一部は「箱根町資源保全基金」に寄付され、箱根旧街道杉並木の保護対策、仙石原すすき草原保存事業等の箱根の自然環境保全に貢献しています。
森林の保全(植樹体験イベント)

箱根ロープウェイ株式会社は沿線にイロハモミジの苗木を植樹体験する親子参加イベントを開催。また、箱根ビジターセンターの方から箱根の草花や野鳥の説明を受けながら桃源台まで散策しました。
「トキ保護基金」への寄付

⼩⽥急商事株式会社(Odakyu OX)では、「特別栽培米 佐渡産コシヒカリ」と「新潟県 佐渡ヶ島米コシヒカリ」の売上金の一部をトキ保護基金へ寄付することで、佐渡の自然保護やトキの増殖に貢献しています。
里山の保全(農業体験教室)

秦野市蓑毛地区の「蓑毛里地里山保全地域を守る会」の協力により農業体験教室を開催。参加した小学生とその保護者は、同地区の棚田で田植えを体験し、里山の保全の大切さを学びました。
多摩川河川敷での清掃活動

小田急電鉄では、和泉多摩川駅周辺に店舗を構える「TRAINS」、「BLUE多摩川」のスタッフとともに狛江市で行われた「クリーン大作戦」に参加。和泉多摩川駅周辺や多摩川河川敷の清掃活動を行いました。
小田急・江ノ電クリーンキャンペーン

2000年から毎年、片瀬海岸東浜において「小田急・江ノ電クリーンキャンペーン」を開催し、グループ各社の社員とその家族、一般応募の方たちと海岸の美化清掃活動を行っています。
神奈川県「森林再生パートナー制度」に賛同、寄付

公益財団法人小田急財団では、神奈川県「森林再生パートナー制度」に賛同、寄付することで、森林の保全(生態系サービスの防災・保水機能)や年間50tのCO2吸収に貢献しています。(清川村宮ケ瀬)
期間:2022年3月1日~2027年2月28日
「駅からはじまるいきもの探しいきものGO」の実施

いきものコレクションアプリ「Biome(バイオーム)」を活用し、アプリを通じて、参加者には鉄道沿線を巡りながら楽しく生き物のデータを集めていただき、集まったデータと各駅の所在地情報などと組み合わせて分析を行うことで、各沿線の垣根を越えた生物多様性の見える化を目指すネイチャーポジティブイベントを実施しました。
期間:2023年9月23日~2023年12月10日
環境月間 グリーンライトアップ

「片瀬江ノ島駅」と「江の島シーキャンドル※」をグリーンライトアップ
期間:2024年6月1日~2024年6月30日
※江の島シーキャンドルは6月5日のみ
事業活動に伴う騒音や振動の低減を図り、地域社会の生活環境の保全に努めます。
鉄道の騒音・振動対策(車両)

車両の騒音・振動対策として、全車両に防音車輪を装着。また低騒音型コンプレッサーや全密閉式主電動機の導入を推進しています。
鉄道の騒音・振動対策(軌道)

軌道の騒音・振動対策として、防音壁・吸音パネルの設置や弾性枕木砕石軌道などの軌道構造の改良を推進しています。