当社グループは、2021年9月に「小田急グループ カーボンニュートラル2050」を策定し、事業活動を通じたCO2排出量の削減や資源循環、自然資源の保全・活用などの環境課題に取り組んでいます。

本表彰は、これら当社グループ各社・職場・個人の取り組みを表彰し、その内容を社内外へ周知することで、環境活動の水平展開や従業員の意識向上、主体的な取り組みへの発展につなげ、当社グループの環境の取り組みを活性化することを目的に「小田急グループ環境表彰制度」を2023年度に設け、実施しています。

この度「第4回小田急グループ環境表彰」(2026年度)を実施し、受賞者を決定致しました。

第4回表彰では、脱炭素社会ならびに資源循環社会の実現に資する取り組みなど、計17件の応募が寄せられました。応募内容について厳正な審査を行い、サステナビリティ推進委員会での選考を経て、「小田急グループ環境大賞」、「優秀賞」、「特別賞」を次のとおり決定し、表彰式を実施いたしましたのでご紹介します。

受賞者

「小田急グループ環境大賞」

  • 株式会社小田急箱根 船舶部
    箱根海賊船の運航で排出するCO₂を実質ゼロへ!カーボンオフセット燃料の導入

「優秀賞」2件

  • 株式会社小田急SCディベロップメント SC営業部
    IoT ビルオートメーション導入による商業施設のCO₂排出量削減の取り組み
  • 小田急不動産株式会社 仲介営業部 企画推進グループ
    古民家移築再生による資源循環型住宅の普及促進の仕組み構築「KATARITSUGI」プロジェクト

「特別賞」7件

  • 株式会社小田急百貨店 町田店店舗政策・運営部
    資源循環社会の実現に向けた、廃油のリサイクルの取り組み
  • 株式会社ホテル小田急サザンタワー 営業部 調理課
    自然保全と地域社会への貢献「エシカルな鹿肉を料理に、環境負荷軽減の取り組み」
  • 株式会社ホテル小田急サザンタワー 営業部 宿泊課
    渋谷区「フードドライブ」への参画
  • 株式会社小田急SCディベロップメント 企画開発部
    古着回収を通じた「服を捨てない循環型社会」の実現および社会貢献の価値創出
  • 株式会社小田急箱根 経営企画部
    ペロブスカイト太陽電池の早期社会実装に向けた「神奈川県次世代型太陽電池普及事業」プロジェクトへの参画 -神奈川県箱根エリアでは初となるペロブスカイト(PSC)の実証実験をサポート-
  • 小田急電鉄株式会社 大野総合車両所
    鳩害に対する環境面の改善 -鷹匠による鳩駆除-
  • 小田急不動産株式会社 品質管理部 品質管理グループ/カスタマーサポートグループ
    『リーフィア』の品質管理・ロングコンフォートシステムにおけるDX 活用によるペーパーレス化の推進 -2025 年度、約19万枚相当の紙資源量削減および杉の木約68本相当のCO₂削減-

第4回小田急グループ環境表彰 受賞者

第4回小田急グループ環境表彰 受賞者

表彰取組の内容

小田急グループ環境大賞

『箱根海賊船の運航で排出するCO₂を実質ゼロへ! カーボンオフセット燃料の導入』
(株式会社小田急箱根 船舶部)

箱根海賊船の運航で排出するCO₂を実質ゼロとし、環境に優しい箱根周遊を推進することを目的に、2025年4月調達分から、箱根海賊船3隻の運航に要する燃料重油をCO₂削減がクレジットされた高付加価値重油「出光カーボンオフセットfuel」に切り替えた。本導入より、2025年度の運航実績でCO₂(Scope1)排出量約1,000tの削減を実現した。この取り組みは、クレジットの購入を通じて森林保護のプロジェクトへ資金が循環するなど、自然保全の取り組みに寄与するとともに、2024年4月から再生可能エネルギー由来の電力で運行している箱根登山電車、箱根登山ケーブルカー、箱根ロープウェイを含め、同社が運営する交通機関のカーボンニュートラルを達成し、箱根の豊かな自然を求めて来訪される国内外のお客様へのPRにも大きく貢献することから、大賞に選定した。

箱根海賊船 ロワイヤルⅡ号
箱根海賊船 ロワイヤルⅡ号

「優秀賞」2件

『IoT ビルオートメーション導入による商業施設のCO₂排出量削減の取り組み』
(株式会社小田急SCディベロップメント SC営業部)

同社が運営する商業施設「新宿西口ハルク」において、cynaps㈱が提供するIoT ビルオートメーションシステム「BA CLOUD」を2025年9月より導入。室内のCO₂濃度・温度・湿度などをリアルタイムでセンシングし、人の在不在や室内環境に応じて換気・空調設備を自動制御することで、従来は常時稼働していた換気を必要最小限に抑え、空調エネルギーのロスを大幅に低減。また、既存設備を活用した後付け型のIoT システムであることから、大規模な設備更新を伴うことなく、工事コストや営業への影響も最小限に抑えながら脱炭素化を実現した。
(成果:年間で約72t-CO₂削減効果)

『古民家移築再生による資源循環型住宅の普及促進の仕組み構築「KATARITSUGI」プロジェクト』
(小田急不動産株式会社 仲介営業部 企画推進グループ)

古民家の古材を新築住宅の部材として活用することで、脱炭素・資源循環を実現するとともに、建築技術や古民家の歴史を継承し、地域の関係人口の創出など「エシカル消費」につながる住まい選びの選択肢を提供することを目的に、(一社)全国古民家再生協会と業務提携し、顧客が希望する場所で古材を用いた注文住宅を建設できるスキームを「KATARITSUGI」プロジェクトとして構築した。新潟県阿賀町の築約160年の古民家の構造材を再利用した常設の平屋モデルハウスを、2025年5月31日の「古材の日」に神奈川県開成町にオープン。本モデルハウスは同協会主催「第12回再築大賞」において、古民家の古材を活用した循環型の住まいづくりと文化的価値の継承の仕組みを構築している点が評価され、特別賞となる「林野庁長官賞」を受賞し、さらに、(一社)日本ウッドデザイン協会主催「ウッドデザイン賞2025」を受賞したほか、プロジェクトの意義やストーリーを発信するWebサイト「KATARITSUGI」は、(一社)日本BtoB広告協会主催「第46回 BtoB 広告賞」において銅賞を受賞。住まいづくりにおける資源循環の仕組みだけでなく、その価値を社会に伝える情報発信の面でも評価を受けている。

モデルハウス(室内)
モデルハウス(神奈川県開成町)
モデルハウス(神奈川県開成町)

特別賞(7件)

『資源循環社会の実現に向けた、廃油のリサイクルの取り組み』
(株式会社小田急百貨店 町田店店舗政策・運営部)

これまで廃棄していたものを資源化することを目的に、小田急百貨店町田店B1 階食品共同厨房で発生する廃油について2022年10月から有価物として資源化を開始した。収集・運搬・処理業者と検討・協議を重ね、植物系廃食油をディーゼル車や業務用ボイラーなどの軽油代替燃料としてリサイクルすることで、資源循環社会の実現に寄与した(2025年度リサイクル量11t)。

『自然保全と地域社会への貢献「エシカルな鹿肉を料理に、環境負荷軽減の取り組み」』
(株式会社ホテル小田急サザンタワー 営業部 調理課)

気候変動の影響により全国各地で鳥獣被害の事案が発生している中、同社ではジビエ料理にも使われる鹿肉に着目し、駆除された鹿肉をレストランの提供メニューに採用した。調達にあたっては、小田急電鉄㈱デジタル事業創造部で展開する事業「ハンターバンク」を通じて、東京近郊で鹿肉を取り扱う事業者の紹介を受け、昨年11月から調達を開始。お客様への料理提供時には、その背景にあるエシカルなストーリーも併せて伝えることで、ホテルの取り組みへの理解促進を図るとともに、従業員の環境意識向上にもつながっている。

『渋谷区「フードドライブ」への参画』
(株式会社ホテル小田急サザンタワー 営業部 宿泊課)

これまで廃棄していたチェックアウト後の客室に残された忘れ物のうち、賞味期限まで余裕があり、かつ未開封の食品(カップ麺やお菓子の乾物類)を毎月取りまとめ、渋谷区の認定NPO 法人フードバンク渋谷を通じて区内の支援を必要とする方々に提供。2025年6月から支援を開始し、2026年1月までに延べ282点を提供した。(提供品は同団体の規定に基づき、賞味期限が2カ月以上残っているものを対象)。廃棄物の削減と社会貢献を両立する取り組みである。

『古着回収を通じた「服を捨てない循環型社会」の実現および社会貢献の価値創出』
(株式会社小田急SCディベロップメント 企画開発部)

㈱FASHION Xと協業し、「服を捨てない循環型社会」の実現を目指す取り組みとして、同社が管理する商業施設「アコルデ代々木上原」および「小田急マルシェ鶴川Ⅰ」の遊休地を活用し、2025年3月から9月まで古着回収BOXを設置。2施設合計で約14tの古着を回収し、約21tのCO₂削減効果を創出した。回収した古着は㈱FASHION Xが買い取り、その収益の一部(約14万円)を子どもの居場所運営や教育支援を行う認定特定非営利活動法人カタリバへ寄付。古着回収を通じた資源循環の推進と社会貢献の両立を実現した。

『ペロブスカイト太陽電池の早期社会実装に向けた「神奈川県次世代型太陽電池普及事業」プロジェクトへの参画 -神奈川県箱根エリアでは初となるペロブスカイト(PSC)の実証実験をサポート-』
(株式会社小田急箱根 経営企画部)

これまでの技術では設置が困難だった場所に対し、軽量かつ設置・交換が容易というPSC の特長を生かした有効性の検証ならびに、箱根を来訪されたお客様へPSCの普及啓発を目的に、プロジェクト代表事業者㈱マクニカと実証を実施(設置場所:箱根湯本駅・早雲山駅、実施期間:2025年11月~2026年2月)。箱根湯本駅ではボタンを押下するとPSCの発電電力によりNゲージ(アレグラ号)が走行する特製ディスプレイを設置し、箱根を訪れる国内外のお客様のPSCの普及啓発と、箱根登山電車のPRに貢献した。

『鳩害に対する環境面の改善 -鷹匠による鳩駆除-』
(小田急電鉄株式会社 大野総合車両所)

大野総合車両所各工場内の作業場では従前より鳩が棲みつき、糞害等の鳩害に苦慮していたことから、職場環境の改善に向けて2024年度より鷹匠による鳩害駆除の取り組みを実施(月2回 約2~3時間/回、2025年度計25回)。エネルギー消費が伴わない取り組みであり、実施後は鳩の棲みつきが確認されなくなるなど、業務開始前後に発生していた床面等の清掃に要する時間や労力の削減、ならびに衛生環境の改善に成果を上げている。

『「リーフィア」の品質管理・ロングコンフォートシステムにおけるDX 活用によるペーパーレス化の推進 — 2025年度、約19万枚相当の紙資源量削減および杉の木約68本相当のCO₂削減 —』
(小田急不動産株式会社 品質管理部 品質管理グループ/カスタマーサポートグループ)

設計・施工品質管理の高度化を目的に、設計施工管理システム(ANDPAD、eYacho)を導入し、現場での会議・記録・検査業務や、社内関係部門とのデザインレビュー(図面チェック)をデジタル化した。また、住宅購入者への引渡し図書類や定期点検案内についてもデジタル化し、アプリでデータを提供する仕組みに移行することで、業務効率化と紙使用量の削減を同時に実現し、環境負荷低減を推進した。紙資源削減量(A4用紙換算) 総計189,768枚、CO₂削減量 約599㎏(杉の木約68本相当※)

樹齢36~40年生のスギ人工林を基準とした場合、スギ1本あたり年間で約8.8kgのCO₂を吸収(林野庁公表)