方針

鉄道、商業施設をはじめ、暮らしやビジネスに密着している当社グループは、沿線地域社会において、最も廃棄物を排出している企業のひとつであると認識しており、廃棄物を取り巻く資源の枯渇、環境負荷、最終処分場の残余年数などの課題を踏まえ、率先して廃棄物の削減・資源化に努めることが責務であると考えています。
当社グループは、持続可能で豊かな資源循環社会を実現するため、廃車車両のリサイクルや食品廃棄物の飼料化等、事業活動から排出される廃棄物のリサイクル推進など、様々なステークホルダーとともに資源利用量の削減に取り組んでいます。

ガバナンス体制

当社グループでは、資源循環の課題に対し、方針に基づき、資源の適切な利用ならびに廃棄物排出量の年度毎の実績管理を行う機関として、サステナビリティ担当執行役員が委員長を務める「サステナビリティ推進委員会」を設置しています。また、取締役会および取締役社長は、サステナビリティ推進委員会から報告を受け、目標に向けた進 捗状況や廃棄物のリスク・機会などを監視し、必要により指示を出すことにしています。サステナビリティ推進委員会で審議した事項は、当社各部・室および当社グループ全体で共有・連携を図り、取り組みを推進しています。

資源循環目標

指標 単位 対象範囲 目標 2023年度
実績
2024年度
実績
廃棄物排出量
(収益原単位)
t/億円 当社グループ
(連結)
前年度比減 5.60 5.61

取組み

Reduce(ごみの発生を少なくする)、Reuse(繰り返し使う)、Recycle(資源として再生利用する)、Refuse(ごみになるものを断る)、Repair(修理して使う)を意識して、より環境への負荷低減に取り組みます。

鉄道車両のリサイクル

大野総合車両所
大野総合車両所

車両の廃車・解体時に発生する約90%以上を占める金属類等は可能な限りリサイクルしています。また、冷房装置の中に含まれているフロンガスは全て回収し、適正に処理しています。

ペットボトルリサイクル

リサイクルステーション・新宿駅
リサイクルステーション・新宿駅

お客さまにキャップやラベルの分別回収を協力いただくことで、使用済みペットボトルを新たな飲料用ペットボトルにリサイクル。資源の循環サイクルを強化し、限りある地球資源の有効活用を目指します。

海老名エリア資源循環

「ViNA GARDENS OFFICE」 をはじめ、海老名エリアの小田急グループ商業施設等から排出する食品廃棄物を焼却ごみとせずに、近隣のパートナー企業とともにリサイクルし、環境負荷低減を図るものです。

  • 株式会社日本フードエコロジーセンターでは、上記の食品廃棄物を飼料化するとともに、できない部分を発電用の液状化原料にします。
  • さがみはらバイオガスパワー株式会社では、上記原料をさらに加工し、発酵により発生するメタンガスにより発電します。
  • ここで発電されたすべての電力を「グリーンベーシックプラン(FIT非化石証書)」を通じて購入し、オフィスビル「ViNAGARDENSOFFICE」に入居する小田急電鉄海老名本社の使用電力の一部とすることで、小田急グループ事業内でエネルギー・資源の循環を構築します。
海老名エリアで資源循環社会を実現

古紙配合の名刺

古紙配合の名刺

駅や車両の廃棄ポスターを再生紙として活用した名刺を使用しています。これにより約600kgの廃棄ポスターが当社1年分の名刺に生まれ変わります。(古紙配合率50%)

「東京の木 多摩産材」の利用

参宮橋駅
参宮橋駅

森林が水や大気の浄化、CO2吸収や災害防止などの機能を発揮していくには、伐採、利用、植栽、保育という循環が必要です。明治神宮の最寄り駅・参宮橋駅のリニューアル工事では「多摩産材」をふんだんに使用し、木の温もりを感じられる駅に生まれ変わるとともに、森林資源の有効活用にも寄与しています。

地産地消やフードロス削減への取り組み

地産地消やフードロス削減への取り組み

ホテル小田急サザンタワーでは、生産者との絆を深め、東京産野菜を農家から仕入れることで流通による環境負荷軽減を図っています。販売ラインに満たない野菜(廃棄対象野菜)の仕入れや野菜の皮も含めた調理法を取り入れることによりフードロス軽減に取り組んでいます。

不要品回収を始めとした地域循環

不要品回収を始めとした地域循環

㈱小田急SCディベロップメントでは、地元行政に必要な「子育て支援品」を寄贈する『マチチカ、ヒトチカプロジェクト「Re:born」〜託したモノが、子どもたちへのギフトに。〜』を沿線9つの商業施設にて行っています。
お客さまから不要品回収を行い、主旨に賛同いただいたリユースショップ等の協力企業にて現金化、チャリティイベントの収入と合わせ各商業施設が立地する地元自治体が必要とする子育て支援品に替え、寄贈する取り組みを進めています。

機器のライフサイクル延長への取り組み(駅トイレ)

小田急新宿駅南口
小田急新宿駅南口

利用頻度が非常に高い駅のトイレにおいて、劣化の進んだ機器を交換でなくリファイン(陶器表面を研磨しガラスコーティング)することで機器のライフサイクル延長を図っています。廃棄材の発生抑制だけでなく、工期の半減にも寄与しています。((一社)日本トイレ協会主催「JTA トイレ賞 2023」社会的活動部門において奨励賞を㈱小田急ビルサービスが受賞)

サステナブル建材を活用した建築

サステナブル建材を活用した建築

小田急不動産㈱では日本各地で管理が難しくなった古民家の良質な古材を移築再活用し、古民家解体時の廃棄物の削減、新築建設時の建材の削減、さらには大工職人の技術伝承に取り組んでいます。

KATARITSUGIプロジェクト

リサイクル商品の販売

【マザーハウス】リンネ2ウェイミニショルダー
【マザーハウス】リンネシリーズ

小田急百貨店新宿店では、「自分だけではなく“大切な誰かのため”に環境にやさしいモノを選ぶ」をテーマに環境に配慮した商品を「リサイクル」「リデュース」「オーガニック」に分類。ホームページや店頭にて紹介しています。

アメニティバイキングの設置

アメニティバイキング
小田急ホテルセンチュリー相模大野

フロント前にアメニティバイキングを設置。必要なものを必要な分だけご利用いただくことで廃棄物削減に貢献しています。

地域パートナーと連携して、資源循環に取り組みます。

収集・排出・資源循環のサポート WOOMS

「WOOMS」ロゴ
「WOOMS」ロゴ

「Beyond Waste」をビジョンに掲げ、資源・廃棄物の収集・運搬・排出作業の効率化と資源循環を高めるサービスを提供。自治体や企業と連携することで、サーキュラー・エコノミーの実現を目指します。

WOOMS

小田急ONE(シェアリングエコノミー)

「小田急ONE」トップ画面のイメージ
「小田急ONE」トップ画面のイメージ

シェアリングエコノミーとは、インターネット上のプラットフォームを介してモノ・スキル・空間などをシェアしていく経済の動き。当社では、小田急ONE(オーネ)を運用しています。

小田急ONE

資源循環に関する教育

「ごみの問題解決」授業の様子
「ごみの問題解決」授業の様子

小学生を対象にサーキュラーエコノミーの実現に不可欠な「ごみの問題解決」に関する授業を開催。ゲームを通じて楽しみながらごみ減量などを学び、環境への興味・関心の促進を図っています。

アイカサ(傘レンタル)

「アイカサ」スタンド
「アイカサ」スタンド

「アイカサ」は傘シェアリングサービスで、ビニール傘の使い捨て削減に寄与するものと考えられ、今後、小田急全駅の導入を目指しています。